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おもしろ本棚 Ver.2 <よりみち篇>
「おも本」メンバーが、本・映画・ドラマなどなど、熱く思い入れを語る<よりみち篇>。
『何もかも憂鬱な夜に』
何もかも憂鬱な夜に (集英社文庫)何もかも憂鬱な夜に (集英社文庫)
(2012/02/17)
中村 文則

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この本もまた、又吉さんの『第二図書係補佐』をきっかけに
手にした1冊なのですが。

親の顔を知らず、施設で育って刑務官になった主人公と、その仲間たち。
さらには、やはり施設で育って死刑囚となった20歳の山井。

孤独と向き合いながら生きる彼らの鬱屈を
どこまでも真摯に掘り下げた 確かに暗く、深い小説です。

以下、超ネタバレです。
 
 

肉親の愛を知らない彼らが人生に立ち向かうには、
人一倍、闘うエネルギーが要る。

思春期の感受性はことさら強く、彼らは生きる意味を考え、
数多くの疑いと迷い、そして体の奥から噴出する怒りに身悶え、
感情を破裂させ、ときにそれを暴力的行動に表してしまう。

この小説には、思春期を上手に乗り越えることができぬまま、
年を重ねてしまった彼らが抱える苦悩が描かれています。

重いです。苦しいです。

けれど、少し距離を置いて読み進むことができたのは、
私が半世紀を超えた年齢だということと、
男ではないから、なんだろう。

実は、文庫版の解説は、中村さんの熱烈ファンである又吉さんが
飾らない言葉で、真っ向から挑んで書いています。

『第二図書・・』を読んだ時も思ったんだけど、
30代という年齢は、もちろん大人なんだけど、どこかに
青春期の迷いと悩みをまだピュアに持ち続けてるんだなあと。

10代の頃の感情は、今も鮮明に思い出すことがあるけど
30代で何を考えていたかって、すこんと抜け落ちてるんですよね。
人生あれこれ忙しい時期だったってこともあるんだろうけど。

それに加えて「男ではないから」と書いたのは、
この小説が 思春期に伴う第二次性徴期の、
男子特有の性衝動からくる攻撃性を描いているから。

「僕」は、同じ施設で育った恵子とのセックスを欲望のままに繰り返し、
孤独や怒り、説明のつかない感情を、刹那的に昇華させていく。

けれど一般家庭に里子に出されて育った真下は、本当の自分が
どうあるべきか悩みぬき、生き難さに負けて、自ら命を断つ。

そして死刑囚の山井もまた、「セックスしたかった」という単純な衝動が
二人の人を殺めるという大きな過ちに結びついてしまう。

性衝動が、征服欲を満たすための攻撃性に結びつく男子と
受容性としてそれを持つ女子との間には、抜本的な違いがある。

それが、男性作家の描く青春小説の根幹にあると思うのだけど
私が客観的に読んでしまったったのは、やっぱり女だからなんだろうなと。
だから恵子もまた「僕」から離れ、あっさり大人になろうとしたのだろうと。

いい小説です。
悩める男子には、特に深く響くと思います。
又吉さんの言葉も。
 

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テーマ:書評 - ジャンル:小説・文学

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