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読書会「おもしろ本棚」のメンバーが、思い思いに「本」「映画」「モノ」「コト」を素顔で語ります☆

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おもしろ本棚 Ver.2 <よりみち篇>
「おも本」メンバーが、本・映画・ドラマなどなど、熱く思い入れを語る<よりみち篇>。
P.D.ジェイムズ『高慢と偏見、そして殺人』
高慢と偏見、そして殺人〔ハヤカワ・ミステリ1865〕 (ハヤカワ・ポケット・ミステリ)高慢と偏見、そして殺人〔ハヤカワ・ミステリ1865〕 (ハヤカワ・ポケット・ミステリ)
(2012/11/09)
P・D・ジェイムズ

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Jefyさまは正しい。
『高慢と偏見』を一応読んでいたほうが楽しめます。
 
 
ペンバリー館でダーシーと円満に暮らすエリザベス、
二人の男の子にも恵まれ女主人の地位も盤石。
大陸ではナポレオンの動きが不気味、でも、ここペンバリー館に不穏な気配はありません。
エリザベスは恒例のレディ・アンの舞踏会の準備に余念がない。
仲良しの姉ジェーンとその夫も到着し・・・とプロローグ~第一章半ばまでは、
これって誰だっけ?あーそうそう、を繰り返しながら読むので、
なかなか進まずちょっと退屈。

しかし、エリザベスの妹リディアが半狂乱で登場するあたりから
不安と緊張感が忍び寄ってくる。
広大なペンバリー館を取り巻く森で発見された遺体、
「僕が殺した」と錯乱状態で叫ぶリディアの夫ウイッカム。
治安判事が呼ばれ捜査が始まる。

そこからぐんぐんページがはかどって、
オースティン(私なりに想像した人相風体があるのです)の、
ほら、驚いたでしょと言わんばかりの得意気なまなざしが見えるようで、
いやいや、書いたのはP.D.ジェイムズだからねと、
イメージの暴走にストップをかけました。

殺人だけではなく、エリザベスとダーシーの結婚までのエピソードを踏まえた
謎解きがあったり、読み流していた行動に伏線があったり、
19世紀という時代の中で、ミステリとしての展開にも、動機にも、無理はなく
作者はオースティンの作り上げた人々をよみがえらせました。
当時の社会感覚を現代の価値観で評価する(しばしば断罪する)という愚かな小細工もありません、
P.D.ジェイムズの手腕はさすがです。

高校時代の英文解釈では『高慢と偏見』や、『人間の絆』等学習しましたが、
英語圏では19世紀当時の小説の文体と、現代小説の文体に大きな違いはないのでしょうか。
日本では言文一致以前と以後で文体も大きく変わり、江戸近世文学であっても
当時の雰囲気や文体を生かした作品と言うのは望むべくもありません。

六月の明るい朝のまばゆいハッピーエンド。
ドロドロの人間模様は小説の醍醐味ですが、
めでたしめでたしで本を閉じるのもいいなあ。
これも、ロマンス小説の王道です。

P.D.ジェイムズはもう90歳を過ぎてまだ創作意欲旺盛だと聞きました。
ダルグリッシュ警視シリーズは大好きですが、
女に向かない職業を選んだコーデリアは元気でしょうか。

ただ、一か所だけ引っかかったのは「先週、うちの図書室の本で写真を見たけれど」
と言う箇所です。
1803年ごろに「写真」を印刷して出版できるような技術はあった?
原文はpictureだったのかなあ?
 
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テーマ:書評 - ジャンル:小説・文学

コメント
読む順番が…。
「高慢と偏見」→「高慢と偏見とゾンビ」→「高慢と偏見、そして殺人」の順で読みました。
でも、これは失敗かも。

「ゾンビ」の印象が強すぎて、「殺人」を読みながら
「あれ、こいつはゾンビに殺されなかった?」とか
「え〜、この人は寝たきりになったはずでは?」などなど
記憶が右往左往してしまいました。

それはともかく、よぴかりさまは「動機にも無理はなく」と書いておられますが、
動機は無理なくても、この犯人は無理じゃない? と思いました。

いえいえ、謎解きとか、犯人探し以外で十分楽しませていただいたので
文句はないのです。
ジェイン・オースティン、P.D.ジェイムスというすてきな
お姉様たちの手腕を堪能させていただき、
幸福な読書だったのはたしかです。
[2012/12/18 13:15] URL | jefy #a7oJ0Vfo [ 編集 ]

やっと読了
やはり、元本『高慢と偏見』を読んでないと、なんのこっちゃ
サッパリわからん、という小説ではないかと思います。

なぜ今の時代にPDジェイムズがこれを書いたのかなあ。
読みはじめは、確かに元本の登場人物のキャラを十分に尊重しながら、
PDジェイムズならではのオリジナル、深い洞察と心理描写が相まって、
お年を召してなお、書く力のすごさに唸らされました。
特にエリザベスの「いけすかない女」ぶりは、原作を忠実に踏襲しております。

が、ミステリとして面白いのかというと、わりとツマラナイ殺人
(読者の関心の薄い被害者というか)の冤罪事件が起こり、
その真実が明らかになるにつてれ、元本からどんどん離れた物語が
展開してしまう気がしましたねー。

エピローグの、ダーシーとエリザベスの結婚へのいきさつについては
今さらというか、作者自身の解釈がくどい、つー気もして。

やはりPDジェイムズには、自分のオリジナルシリーズの
新作を待ち望みたいと思ったしだいであります。
[2013/02/02 01:21] URL | ままりん #- [ 編集 ]

ままりんさんと同感
みなさまのアドバイスに従って元本を読んでから読みました。
元本は小尾芙佐さんの新訳が出ていたのでそれで読みました。
いつもあとがきを書かない小尾芙佐さんがけっこう長いあとがきを書いていて、それも英文科の女子大生時代のオースティンの思い出を語っていた。
英文科女子やイギリス人にとってオースティンって大きい存在なんだろうなあ。
P.D.ジェイムスが齢90を過ぎてこういう本を書いたというのも、そういうことなんだろうと勝手に想像。

英文科女子でない私は、元本は、ちっともおもしろくなかった。
どころかむかついた。
小さな社会の能天気な人たちの話、エリザベスはほんっと、自分だけが賢いと思っているいけ好かない女だーしー(笑)。

で、『そして殺人』
P.D.ジェイムスだし、期待していた割には今一つでした。
さすがにこちらのエリザベスは、自分たちは平和なのんきな世界にいるけれど、外の世界は不穏なことになっている、ということは認識している、んだけど、いけ好かない女であることには変わりない。
そしてミステリーとしての結末。
え、この人が犯人?
これが真相?
とがっくりしました。

やっぱりこれはあくまでも、作者のオースティンへのオマージュなんですね。
つーことで、この本に関しては「私たち、本の好みが合わないわね」とお互いに認識し合ったままりんさんと、ほぼ同じ感想でありました。
[2013/02/09 13:18] URL | アビィ #EECaoQqg [ 編集 ]

>アビィさま
小尾芙佐さんの新訳の『高慢と偏見』は、光文社ですね。
私もそれを読みました~。
    ↓
http://marmadays.blog2.fc2.com/blog-entry-296.html

そうなんですよ。原作のあの「イケ好かなさ」はなんだろう、
あの時代は、あの階級はあれでいいのかと思ってたんだけど
PDジェイムズもやはりそう思ってたんだわ、というのがよくわかりました。
[2013/02/10 12:27] URL | ままりん #- [ 編集 ]


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