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読書会「おもしろ本棚」のメンバーが、思い思いに「本」「映画」「モノ」「コト」を素顔で語ります☆

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おもしろ本棚 Ver.2 <よりみち篇>
「おも本」メンバーが、本・映画・ドラマなどなど、熱く思い入れを語る<よりみち篇>。
週刊金曜日編集部編『70年代―若者が「若者」だった時代』
70年代 (若者が「若者」だった時代)70年代 (若者が「若者」だった時代)
(2012/10/13)
週刊金曜日

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おも本メンバーも若い人が増え、世代間ギャップを感じる今日この頃です。

今回ご紹介する本は、70年代を総括する一冊です。
ぼく自身にとっての70年代という10年間は、中学生から社会人になるまでの、
まさしく疾風怒濤の10年間で、「人生に大切なすべてのことはこの10年間に学んだ」
と言っても過言ではないと思っています。
でも、今の20代、30代の人にとって1970年代なんて、ずっと昔のことなんでしょうね。


この本は、もともとオピニオン雑誌『週刊金曜日』に連載されていたコラムをまとめたもの。
70年代に限って、政治・経済からテレビ・マンガまで、時代を代表する24テーマがコンパクトに
まとめられています。執筆者はそれぞれのテーマや事件と深いかかわりを持っている人で、
年代的には70年代をリアルタイムで体験した人たちです(唯一の例外が、75年生まれの雨宮処凛)。

したがって、意識しているかどうかはわかりませんが、内容のそこかしこに、
「昔はこうだったけど、今は……」とか「過ぎてしまえばみな美しい」といった懐古的なティストが
ちょびっと感じられます。
そうは言っても、もちろん、この本はただ単に70年代を懐かしむだけのものではありません。
執筆者が持っている、過去があって今=現在がある、という視点にブレはなく、
70年代という一つの時代を読み解くことで、日本の現代を、そして未来を考えようとしている姿勢が
はっきりと出ています。ぼくなんかのように中途半端に70年代を引きずっているのではなく、
日々の暮らしや戦いの根っことしている人たちの文章からは、学ぶべきことが多いと思います。

ここで、この本に書かれている内容をベースに、70年代を知らない今の人たちのために
時代の歴史的な定義づけをすると、70年代初頭は、それ以前、つまり60年代後半からの
「闘争の時代」を引き継いだ「政治の時代」と言うことができます。
これらの時代は、「生産社会文化の時代」と言い換えることもでき、キーワードとなっているには、
「解放」「自由」そして「革命」。しかし、70年代の半ばになって、こうしたムーブメントが
さまざまな理由から終焉を迎え、時代は「経済の時代」=「消費社会文化の時代」へと大きく舵をきります。

キーワードは、ずばり「カネ」となり、その後の80年代、90年代の「バブルの時代」へと
引き継がれていくことはご存知のとおり。社会全体への関心ではなく、
「身の回り1メートルのことにしか関心のない」人々があふれ、
21世紀になってアメリカ型新自由主義が賞賛されるなか弱者は切り捨てられ、
表層だけは豊かな管理型国家が生まれた……というわけです。

まあ、一面的な捉え方かもしれませんが、大筋であやまりはないと思います。

自分ひとりの楽しみに特化し、美味しい食事やお酒のお店に通うこと、話題の映画やお芝居を観ること。
自分磨きと称しての自己満足的プチ冒険に興じること。どれも悪いこととは言いませんが、
このような「身の回り1メートルにしか関心のない」若い人って多いですよね。
家族や学校や会社という、社会的なしがらみを嫌う世代が確実に増えているような気がします。
結果、男女ともにお一人さまという生き方が増える一方で、同窓会や組合に参加する人が減っていきます。
ひところテレビで流行った「自分さがし」のドラマだって、よくよく思えば
「個人」の追究ドラマだったのかと……。

他人さまの生き方をとやかく言うつもりもありませんし、そこまで小言じじいになるつもりもありませんが、
「自分一人が幸せになることは、社会全体が幸せになること」、というどこかピントのずれた感覚って、
やはり怖いなぁと思います。この本を読んでみて、70年代にあって、今の日本にないものは、
つまるところこうした個人と他者の関係、「連帯感」の有無につきるのだと思う次第です。

さて、24のテーマのうち、鈴木邦男(一水会顧問)が書いている三島由紀夫と高橋和巳に関するパートは、
小説とか文学に関心がある人にはぜひとも読んでいただきたいです。
それと、高野悦子と彼女の遺稿集『二十歳の原点』についての章も。
機会があれば、課題本に高橋和巳を取り上げたいですね。

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テーマ:書評 - ジャンル:小説・文学

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