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読書会「おもしろ本棚」のメンバーが、思い思いに「本」「映画」「モノ」「コト」を素顔で語ります☆

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おもしろ本棚 Ver.2 <よりみち篇>
「おも本」メンバーが、本・映画・ドラマなどなど、熱く思い入れを語る<よりみち篇>。
『月の砂漠をさばさばと』
月の砂漠をさばさばと (新潮文庫)月の砂漠をさばさばと (新潮文庫)
(2002/06)
北村 薫

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これもまた『第2図書係補佐』の中から
読みたくなった1冊なのです。
 
初の刊行は1999年です。
 
 
北村さんといえば『スキップ』『ターン』『リセット』を
読んだきり、その他の作品はあまり知らなかったんですが。

これは、少し大人びたところのある素直な小3の少女、さきちゃんと
童心を忘れていない小説家のお母さんとの二人暮らしの日常が
穏やかに描かれた12篇の短編小説です。

料理上手のお母さんなら新作料理を、
洋裁上手のお母さんなら素敵な洋服を 作ってくれるように、

さきちゃんは、お母さんがお話をしてくれることを楽しみにしています。
いろんな言葉遊び、ささやかな夢物語が散りばめられることを。

子どもはナンセンスなモノが好きです。本作のタイトルはお母さんが、
♪月の砂漠を さばさばと~と歌いながら さばの味噌煮を食卓に運んできたのを 
さきちゃんが「かわいい」と気に入ったものなのです。

この小説は、そんな子どもの目線をもって、子どもと対等な心をもって
ともに成長し、生きる哀しみを癒してゆく大人のための童話です。

・・・

息子が幼いとき、私はときどき子守唄を歌いました。
息子が好きだったのは「五木の子守唄」。

♪おどまぼんぎりぼーんぎり・・

という濁音だらけの意味不明の言葉が、なぜかテキのツボにはまったのです。
子どもは濁音や半濁音が好きです。余談ながら、グリコの「カプリコ」「パピコ」
などのネーミングは、子どもウケをねらったものと聞いたことがあります。

とにかく、♪おどま・・が始まると、幼い息子は
ふきゃきゃきゃきゃ、と布団の中で全身を震わせて笑い出しました。
ちっとも子守唄としての意味はないけれども、サービス精神旺盛な母であった私は、

♪おどま・・まで歌ってタメをつくり、そこで息を吸って
♪ぶぉんぎりぶぉぉお~んぎり、と一気に吐き出すと
息子のヨロコビは最高潮に達して、笑いはエンドレスに広がるのでした。

そして必ずそのあとにくる言葉は
「もっかいやって」

・・・

子どもはきっと、自身の子どもらしさを自覚していません。
ただ誰かに愛されたい、大事にしてもらいたい。
大人が自分の望むことを与えてくれ、小さな我侭を受け入れてくれることで
心は満たされ、安らいでいきます。

そして、次第に自分の喜びを 少しずつ
ほかの人にも分け与えることができるようになっていく。
子どもなりに、一生懸命考えて生きてるだけなんでしょう。
だから、このお話を読んでも子どもは面白くないでしょう。

でも、子どもが子どもたる所以が何であったか、
それがわかる大人になると、彼らへの愛おしさが沸いてきます。

巻末の解説は梨木香歩さんです。彼女の分析にうなずくこと多し。
おーなり由子さんのカラーイラストも、とても素敵です。

・・・

又吉さんは、この本を取り上げた回のエッセイで
可愛い双子の姪っ子とスーパーに行って「欲しいもん買うたる」と言ったら
双子ちゃんが揃ってうずらの卵を持ってきたことを書いています。

その後もより子どもらしく、話は発展していくのですが、
人生のいっときに与えられた子どもらしさの、胸に染み入る
オトナの思いを確かに描いていて、ああ、
いい本を紹介してもらったなと しみじみ思いました。

又吉さんは、やっぱり素敵な読書家です。
 
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テーマ:書評 - ジャンル:小説・文学

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