♪おすすめ Blog

カテゴリ

最新コメント

Link

ブックオフオンライン【PC・携帯共通】

このブログをリンクに追加する

プロフィール

おもしろ本棚

Author:おもしろ本棚
読書会「おもしろ本棚」のメンバーが、思い思いに「本」「映画」「モノ」「コト」を素顔で語ります☆

検索フォーム

月別アーカイブ

QRコード

QR

おもしろ本棚 Ver.2 <よりみち篇>
「おも本」メンバーが、本・映画・ドラマなどなど、熱く思い入れを語る<よりみち篇>。
『雪と珊瑚と』
雪と珊瑚と雪と珊瑚と
(2012/04/28)
梨木 香歩

商品詳細を見る


梨木さんは、いろんな作風を持つ方ですが、

これは、とてもとても美しい、
人の善意に包まれた おとぎ話のような物語です。

だからきっと・・あ、以下ネタばれです。
 
 

 
梨木ファンのあいだでも 好き嫌いは分かれるだろうな。

21歳のシングルマザー、珊瑚ちゃんが
まだお座りがやっとの愛娘、雪ちゃんを抱え
途方に暮れながら子どもの預け先と職を探して
街を彷徨うところから 物語は始まります。

父を知らず、実母にネグレクトをされて育った珊瑚ちゃんは
天涯孤独の身の上で、新たな家庭を築いたのだけれど、
働きもせず、役たたずの夫を早々に見限って、
娘を一人で育てる道を選んだのです。

で、聖母のごとき高齢のひとり暮らし女性のくららさんと出会い、
彼女に子どもを預け、以前のバイト先に復職し、
善意にあふれた人々の間で 生活の基盤を築いていく。

さて、そこからが。

お料理上手のくららさんから手ほどきを受け、
珊瑚ちゃんは、自分の店を持ちたいと行動に出る。
無農薬野菜をふんだんに使ったお惣菜を売るカフェです。

まあ、これが周囲に全て協力者が揃っていて、
行き当たりばったりなのに 物事は全てうまく運び、
森の中にオープンしたカフェは雑誌で取り上げられる話題の店となり、
一躍彼女はナチュラルな起業家として成功してゆくのです。

・・いや、面白いんですよ。

野菜やハーブをふんだんに使った自然食メニューは
梨木さんお得意の分野だし、どれも真似したいほど美味しそう。
作家自身が楽しんで書いてるんだろうとよくわかる。
このままドラマになれば、そこそこ視聴率も稼げそうな。

梨木さんの、こういう特色が好きな読者は気に入るだろうと思う。
が、ワタクシ『f植物園の巣穴』の難解なファンタジーにハマったクチなので
やっぱり本作は、何か主題がきっぱりとしてない気がするんです。

そもそもタイトルからして、母娘の関係に重きが置かれた話と思うのですが、
雪の存在がオマケのように、きちんと描かれていない。

ところどころでは、子育てをした人のリアルな描写があるものの
ビジネスに目覚めた珊瑚の母親的側面は、かなり薄まっていて、
なんだか付け足しのようなエピソードはあるけど、
なんで、こういう月齢の赤ん坊を設定したんだろう?
という疑問がずっと渦巻いてしまいました。

親子の情なら『f植物園・・』の、生まれてこなかったボウとの方が
よほど心通うものがある。あれは泣けました。

ただただ幼い命に対する愛と慈しみなら、
堀江 敏幸さんの『なずな』の
独身の叔父の方が、はるかに温かな眼差しをもって描けている。

と手厳しい評になってしまったのですが、心地よく読める小説です。
実際に、こういうハーブ園のある自然食レストランがあれば
足を運びたくなると思います。

秋の午後、お散歩に出かけてカフェで読むのにオススメです。
 
スポンサーサイト

テーマ:書評 - ジャンル:小説・文学

コメント
もっと宗教!
私も梨木香歩さん、大好き。
なんと言っても「家守綺譚」と「村田エフェンディ滞土録」が好き好き。

なので、このお話には「惜しい…」という気持ちを禁じえませんでした。

外国の修道院で長い年月を過ごして日本に戻ってきたくららさん。
彼女の中で宗教とはどんな位置づけで、
どんな変化があったのか。

珊瑚さんの「施しを受けることへの抵抗感と
それに対するくららさんの答えなど、
いいわ、いいわの設定、場面がいっぱいあるのに
何かが見えてきそうなところで
大人の分別を働かせてさらっとスルーしてしまう珊瑚さん。

もどかしいよう。
もっと突っ込んでほしかったなあ。

せっかくの梨木香歩作品なんだから、
、美味しそうなお料理の話や
実践的カフェ経営のノウハウよりも
梨木さんの宗教観が見えるようなお話が読みたいと思いました。
[2012/11/07 20:44] URL | jefy #a7oJ0Vfo [ 編集 ]


コメントの投稿














管理者にだけ表示を許可する


トラックバック
トラックバック URL
http://marmadays.blog2.fc2.com/tb.php/490-91208cf2
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)