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おもしろ本棚 Ver.2 <よりみち篇>
「おも本」メンバーが、本・映画・ドラマなどなど、熱く思い入れを語る<よりみち篇>。
門田隆将 『太平洋戦争 最後の証言』 全三部作
太平洋戦争 最後の証言 第三部 大和沈没編太平洋戦争 最後の証言 第三部 大和沈没編
(2012/04/19)
門田 隆将

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第一部「零戦・特攻編」、第二部「陸軍玉砕編」に続く、この「大和沈没編」で、
『太平洋戦争 最後の証言』全三部作が完結した。
アジア・太平洋戦争に従軍し生き残った旧帝国陸海軍の兵士・将校の証言をもとに、
著者がまとめあげた渾身のドキュメントである。


  

著者が書いているように、「太平洋戦争とは大正生まれの若者たちの戦争」であった。
明治生まれの両親のもと生を享けた大正男子約1348万人のうち、
何と7%にもあたる200万人の若者がこの戦争で命を落としているという、この冷徹な事実に慄然とする。

第一部・第二部は、それぞれ海軍・陸軍という各軍の戦闘ごとに描かれているが、
最終巻の第三部は、焦点を戦艦「大和」に絞り込み、その誕生から沈没までを、
ほぼ時系列に、九死に一生を得た生き残り兵士たちの証言を交えながら詳述する。

太平洋戦争は、その開戦時から戦闘の主力は航空機へと移行しつつあったにもかかわらず、
いまだに日露戦争の日本海大海戦の勝利を金科玉条とし、
艦隊決戦こそを至上の作戦とする帝国海軍首脳。
そうした思惑のもと、「大和」一隻分の鉄材があれば戦闘機1000機が作れるものをと揶揄されながら
誕生した「大和」は、時代の趨勢のなか、当然のようにその能力・性能を100%発揮することなく
最後を迎えることになる。

それでも機会はゼロではなかった。主力空母4隻が撃沈されミッドウエィ海戦で、
もしも山本五十六が「大和」以下の後続部隊に前進の命を出していたら、
あるいは、捷一号作戦において栗田艦隊が謎の反転をせず、レイテ湾に突入していれば、
両方の機会で、「大和」の46センチ主砲はその圧倒的な破壊力でアメリカ軍を殲滅していただろう。

当時からその豪華な内装ゆえに「大和ホテル」と嘲笑され、戦後は大鑑巨砲主義の遺物と嗤われた
「大和」だが、生き残った兵士たちは、「大和は希望であり、誇りだった」と口をそろえてこう語る。
「大和が沈むときは、帝国海軍が沈むとき」と信じていたと証言している。

ご存知かもしれないが、旧帝国海軍では戦艦の名称は、原則、
明治以前の旧国名(武蔵国・長門国・陸奥国など)にちなんんで命名されていた。
その中で「大和」と名づけられたこの艦は、名づけられたその瞬間から、帝国海軍の象徴であると同時に、
日本という国そのものの象徴、日本人の心のよりどころになってしまったのだ。

沖縄への水上特攻の命を受け、死を覚悟して呉軍港を出航、豊後水道を南下する「大和」。
ときあたかも昭和20年4月はじめ、艦上からみはるかす九州と四国の山なみは春霞にかすみ、
そこここに桜の咲くのが遠望されたという。花びらの何枚かは風に舞って、
日本をあとにする「大和」にまで流されてきたと……。

桜吹雪の中、死地に赴く「大和」――右翼的センチメンタリズムと笑うなかれ。
それは、一億総特攻の魁(さきがけ)という大義に殉ずる個人の死生観とあいまって
日本的美意識の極致を顕現し、ただひたすら感動的である。

ところで、今回の尖閣諸島都有化に賛同した都民から14億円もの寄付金が集まったと聞いている。
国有化が正式に決定したため、都はその使いみちに苦慮しているそうだが、その篤志の寄付金を使って、
海底に眠る「大和」を一部なりとも引き揚げることはできないだろうか。
引き揚げた後は、艦内に眠る戦死者の霊を厚く弔い、せめて主砲塔だけでも復元し、
尖閣の島々に永久設置し、領土の侵犯、国土の侵略を狙う国々への無言の圧力、
日本人の意思表示とすることはいかがであろうか。
沖縄特攻の、この天一号作戦では、沖縄にたどり着いた後、「大和」は海岸に乗り上げ自力座礁し、
陸上砲台となることを目的にしていた。主砲塔の設置は、志なかばで沈没した「大和」の遺志を
継ぐことになると思うのだが、いかがなものであろうか。
「船だまり」なんて中途半端な施設では、実効支配を他国に示すことはできませんぜ、石破さん。

 
太平洋戦争 最後の証言 第一部 零戦・特攻編太平洋戦争 最後の証言 第一部 零戦・特攻編
(2011/08/04)
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太平洋戦争 最後の証言 第二部 陸軍玉砕編太平洋戦争 最後の証言 第二部 陸軍玉砕編
(2011/12/15)
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