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おもしろ本棚 Ver.2 <よりみち篇>
「おも本」メンバーが、本・映画・ドラマなどなど、熱く思い入れを語る<よりみち篇>。
『バイエルの謎 日本文化になったピアノ教則本』
バイエルの謎: 日本文化になったピアノ教則本バイエルの謎: 日本文化になったピアノ教則本
(2012/05/16)
安田 寛

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ピアノを習い始めて、ショパンをとうとう弾かずに終わる人は多いけれど
バイエルを弾かない人はめったにいないのではないでしょうか。
私も、娘も、時代は違えど全く同じ、赤い表紙黄色い表紙の
上下二巻に分かれた『子どものバイエル』を使いました。

バイエルは日本で、ピアノの初心者の教則本として欠かせません。
ピアノに限らず、入門書の代名詞のように使われて、日本文化としてすっかり定着してしまっています。

ところが、


1990年ごろから、バイエルをいまだに使っているのは日本だけ、などと言われ始めました。

なぜバイエルなのか、ほかの教則本ではだめなのか、その疑問に誰も答えられなかった、
答えられないということに初めて気がつき、疑問を持ち始めた、しかも、
バイエルって誰?どんな人? ドイツの音楽辞典にも、二三行しか記述がない、
「その程度の音楽家をいちいち取り上げていたら事典のページがいくらあっても足りない」などと言われ
筆者は愕然として本書を書くに至ったのでした。

バイエル教則本が日本にやってきたのは明治13年、
明治政府のお雇い外国人音楽取調掛のアメリカ人メ―ソンが持ち込んだ記録があるのですが、
実はメ―ソンはピアノではなく唱歌を教えるためにやって来た、
つまり、畑違いの人物が適当に選んだ教材ではないのか?

そこまで読むと私もショックです。
日本文化、とまでは言わないけれど自分の音楽の素養の基盤が揺らぐようです。

しかし、筆者は当時のメ―ソンの学んだボストンのニューイングランド音楽院の記録から、
しかるべき根拠と実績の裏付けでバイエルが選ばれたことを明らかにします。ああ良かった。

教則本の選定過程はわかった、しかし、バイエル自身の謎はまだ明らかではありません。
筆者は冬のウィーンへ、マインツへ、ニューヨークへ、と図書館、古文書館、教会を訪ね歩きます。
さらに、なぜ日本でこんなにもバイエルが使われ続けてきたのか、その理由も明らかにしていきます。

文章はあまり上手じゃないし、構成も重複があったりします。
しかし、たとえ貧弱であっても私の音楽の素養の基盤になったバイエルの事を改めて知ることができました。
たなかすみこの「いろおんぷ」とか、当時通ったA先生のお稽古室を思い出して懐かしくなりました。

バイエルのお墓は、第二次大戦の空襲で跡形もありません。
A先生のお家も私のピアノも、去年の3月になくなってしまいましたが、
バイエルは永遠に不滅です!と言ってあげたいです。

「この手引書を書くために著者がなぜ割に合わない苦労を引き受けなければならなかったのか理解できない」
と当時の批評家に冷たく切り捨てられたバイエルさんのために。
 
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テーマ:書評 - ジャンル:小説・文学

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