♪おすすめ Blog

カテゴリ

最新コメント

Link

ブックオフオンライン【PC・携帯共通】

このブログをリンクに追加する

プロフィール

おもしろ本棚

Author:おもしろ本棚
読書会「おもしろ本棚」のメンバーが、思い思いに「本」「映画」「モノ」「コト」を素顔で語ります☆

検索フォーム

月別アーカイブ

QRコード

QR

おもしろ本棚 Ver.2 <よりみち篇>
「おも本」メンバーが、本・映画・ドラマなどなど、熱く思い入れを語る<よりみち篇>。
『残穢』
残穢残穢
(2012/07/20)
小野 不由美

商品詳細を見る

 
話題の小野不由美さんの書下ろし。

例年に増して じっとりと暑さが残る
そんな今時にぴったりのホラー小説です。
 

 
といっても、通常の小説とは違い、
これはドキュメンタリー形式をとったお話。

自身をモデルにしたっぽい、女流ホラー小説家が
語り手となって、一連の出来事が語られます。

そもそもは、作家のもとに寄せられる読者からの怪談ネタがきっかけだった。
読者の一人、フリーライターの久保さんが入居したばかりの賃貸マンションは、
住環境は申し分ないのだけれど、夜中に一人部屋にいると、

背後で 何か物を引きずるような音がする。

それが全ての始まりだった。
不動産屋に聞いても、過去に何かがあったような瑕疵物件ではない。
そんな報告とも相談ともつかぬ手紙を受け取った小説家は
久保さんと連絡を取り合いながら、その怪現象に深く入り込んでいく。

よく聞けば、そのマンションは他の部屋も人が居着かない。
いや、マンションだけでなく、近隣の住宅団地さえもそう。

「出る」モノも一つではない。赤ん坊の泣き声や
首を吊る女性の姿、大勢の人の苦しむ声。

その土地は過去に何を背負ってきたのか。
「穢れ」の大元は、いったいどこにあるのか。

何年にも及ぶ聞き込みや資料調べを重ねていくうちに
彼女たちは、いろんな人を巻き込んで「穢れ」の正体に近づいてゆく。

・・・・

ん~怖いです。
ドラマ仕立てにしてないところが。
丹念に調べ上げた史実を淡々と記録してゆく、その沈着冷静さが
かえってリアル感を増していきます。

霊感のあるなしに関わらず、誰の恨みをかうわけでもないのに
いくらお祓いを受けても清められずに残った「穢れ」が
どんどんと広がって、罪なき人々を食い物にしてゆく。

時代は昭和、大正、明治にまでさかのぼり、
さらに縁ある土地まで広範囲にまたがって、
さすがにそこまでいくと壮大過ぎて、彼女たちも読者も
むしろ脱力してしまうのですが、そのあたりの仕上げ方も上手いです。

本作とペア?で出された『鬼談百景』も
読んでみようと思っています。



スポンサーサイト

テーマ:書評 - ジャンル:小説・文学

コメント

怪異の淵源を求めて過去へ、過去へとさかのぼる旅。一つの謎にたどり着くと、またそこに新たな謎が浮かび上がり、過去へ遡行する旅は、時間だけでなく空間さえも越える旅になっていく。同時に、作者が生きる世界は、確実に現在に向かって流れていく。

すべての怪異の謎が明らかになるとき、つまりこの小説のラストは、現在になるだろうと誰もが予想する。そして、そこでもっとも怖ろしい怪異が襲ってくるだろうとも。

過去へ向かう謎解き行、現在に向かって流れる時間。過去と現在という時間の円環が結び合ったときに、果たして何が作者に起こるのだろう。伏線となっている、虚空を凝視する飼い猫、不気味な悪戯電話、原因不明の体調不良……。ネタバレになるのでこれ以上は書きませんが、このラストをどう感じるかは、そう、あなた次第です。

いずれにせよ、マンションに一人暮らしされている方は、どうぞ覚悟を決めてお読みください。
[2012/09/08 18:30] URL | 天馬トビオ #MSC2Ux4E [ 編集 ]


コメントの投稿














管理者にだけ表示を許可する


トラックバック
トラックバック URL
http://marmadays.blog2.fc2.com/tb.php/462-f12e5d04
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)