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おもしろ本棚 Ver.2 <よりみち篇>
「おも本」メンバーが、本・映画・ドラマなどなど、熱く思い入れを語る<よりみち篇>。
『猫鳴り』
猫鳴り (双葉文庫)猫鳴り (双葉文庫)
(2010/09/16)
沼田 まほかる

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ううぅ。

泣いた。


 
 
まほかるさんの第3作の作品です。初出は2007年。

これはねぇ。
泣ける。泣けます。
脇にティッシュを用意して読みましょう。

第一部は、中年主婦の信枝が、ある日家の前に、生まれたばかりで傷を負い、
息も絶え絶えの醜い猫が捨てられているのを見つけるところから始まります。

初めての子を死産した伸枝が、死の匂いを放つ仔猫を忌み嫌い、まるで
我が子の弔いのように 繰り返し繰り返し、無情に森の奥まで捨てに行くさまは、

ああ、例によって、まほかるさんお得意の、
ねっとりとしたヒトの悪意の賜物かと心を寒くするものがあります。
愛猫家の方は、もしかしたらここで読むのを断念してしまうかもしれません。

しかし、この小説は違うのです。

結果的に強い執念と生命力をもって、超長生きすることになる
ただただデカくて醜い顔の猫、モンちゃんの一生が、
それを取り巻くイビツな人びととの関わりの中で描かれた小説なのです。

いや、生きるのが苦しい人びとの背景に、モンちゃんがいるというか、
とにかく猫と人間が、べたつくわけでもなく共生している小説なのです。

三部にわたる小説の構成は、ちょっと未完成なところもあります。
文体が、まほかるさんにしては甘いかな、ってとこもある。

しかも作中に出てくる、イビツな心や家庭を持った人びとが
そこに至った背景や、その後どうなるのかは何も示されず、
彼らの絶望が抜本的に解決するわけではないのだけれど、

それでもほんのちょっと、光が射してみえる気がする、
そこに押し付けがましさのないリアル感があり、そのあたりは
やはり彼女の上手いところなんだろうなあと唸らされるのです。

そして第三部では、

老いたモンちゃんの末期を看取る、孤独な老人の姿が描かれます。
まあこの描写がとっても丁寧で、「じじいとじじい」が肩寄せ合う、
人生最後の日々の静けさ、穏やかさ、苦しさ、哀しさ、切なさ、

諸々の感情が、日に日に朽ちてゆくモンちゃんとともに
行間からじんわりと広がってきて、

両の目からナミダです。
もう何だかいろんな情感がこみ上げて、でも
ただ哀しいのとは違います。

人生の無情を、死という自然が丸く収めてくれるのだと
どこか心安らぐ最期でもあるのです。

モンちゃんが気持ちのいいときに喉をごろごろと鳴らす
「猫鳴り」のように。

・・・ああ、全部書いちゃったよ。

ワタクシは 生家で犬を飼ってたので
どちらかというと 猫<犬 派なのですが、
猫を飼うのも良いなあとしみじみ思いました。

人生の終わりについて いろいろと思うところのある方、
あるいは猫好きな方、ぜひお読みください。
 
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テーマ:書評 - ジャンル:小説・文学

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