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読書会「おもしろ本棚」のメンバーが、思い思いに「本」「映画」「モノ」「コト」を素顔で語ります☆

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おもしろ本棚 Ver.2 <よりみち篇>
「おも本」メンバーが、本・映画・ドラマなどなど、熱く思い入れを語る<よりみち篇>。
好き好き「まずいスープ」
まずいスープ

芥川賞落選の戊井昭人さんのデビュー作。
選評では川上弘美選考委員がほめてました。
あ、慎ちゃんも。
芥川賞候補作としてはわかりやすいからかな。

とびっきりまずいスープを作り、
「サウナ行ってくる」と言ったまま姿を消してしまった父親、
酒浸りになり階段から落ちてけがをする母親、
父の昔の仲間に連絡を取ってみる団子屋アルバイトの「おれ」。
父親を探しながら、だらだらと過ぎる1ヶ月あまりの物語です。

普通の日常にちょっとした事件が起こって、
大変な状況ではあるものの
いつもの毎日もやっぱり続いていて
団子屋で団子を焼き、
もうもうたる煙の中で焼き肉を食べ、
元カノと偶然出会ったりもしながら、
それでも、家族のための生活費を工面し、
父親を行方を探しに伊東に行き、と
なかなか活躍するのです、「おれ」は。

困った場面でもパニくらない。
びっくりするような状況も淡々と受け入れる。
怒っていいような時にもたこ釣りに行っちゃう、「おれ」。

そういう「おれ」と、周囲の人々の
「普通あり得ないでしょ」を
「うん、ありそう」と思わせちゃう筆力は凄い。
そして、その世界は心地よいです。

小説家って、小説の中では「神の視点」を持っているから
どうしても行間に作者のドヤ顔がちらつく場合がありませんか。
この人の小説にはそれがないから、心地よい…のかな。

演劇界ではすでに「注目を集める鬼才」なのだそうです、戌井さん。
そんなことはちっとも知らずに
当会の演劇に詳しい若手くんに教えてもらって読んでみたのですが、
読んでよかったー。

ちょっと前に読んだ木下古栗さんの疾走感とは違うんだけど、
「どこ行っちゃう? そっち行っちゃう?」はらはら感は似てるかな。
でも疾走はせずに、ゆるゆるだらだら転がっていく感じがすてきです。
「私の好き好き作家ランキング」上位にいきなりランクイン!

なお、新潮文庫の裏表紙の内容説明はちょっと違和感あり。
「家族は崩壊寸前」に「?」でした。

まずいスープ (新潮文庫)まずいスープ (新潮文庫)
(2012/02/27)
戌井 昭人

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テーマ:書評 - ジャンル:小説・文学

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