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おもしろ本棚 Ver.2 <よりみち篇>
「おも本」メンバーが、本・映画・ドラマなどなど、熱く思い入れを語る<よりみち篇>。
アーナルデュル・インドリダソン 『湿地』
湿地湿地
(2012/06/09)
アーナルデュル・インドリダソン

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最近のブームともいえるような北欧ミステリの出版。
とうとう北欧もどん詰まりのアイスランドまでやってきました。

アイスランドにはファミリーネーム=姓はないのだそうで、
この作者の「インドリダソン」
も姓ではなく、誰それの息子という意味だそうです。
ちなみに女性の場合は「何々ドッティル」になります。

で、アーナルデュルの初紹介作品が警察小説『湿地』。


レイキャビクの北の湿地にあるアパートで老人の死体が見つかった。
訪問者が突発的に殺害し、そのまま逃走したように見える、よくある事件。
しかし、現場に残されたメモが事件の様相を変えてしまった。

「おれはあいつ」とは何を意味するのか。
レイキャビク警察犯罪捜査官エーレンデュルは被害者の過去に秘密があるとして捜査を開始した。

次第に明らかになっていく被害者の過去、とお話は展開していきます。
これまで読んできた北欧ミステリにたがわず、エーレンデュルも結婚生活は破綻、
しかも娘は麻薬中毒、息子もアルコールなどの問題で更生施設とシャバを行ったり来たり、
一番悲惨かもしれません。
被害者はこれっぽっちも同情できないような男で、犯行の動機もすぐに見当がつきます。

あとは、犯人が被害者にたどり着くまでの「どうやって」に興味が絞られてきますが、
まさに島国アイスランドならではの状況がそこにありました。

わずか三十二万そこそこの人口のアイスランドは、9,10世紀ごろに人が住み始めたそうですが、
今でも名前ををたどっていくとそのもともとの御先祖に行きつくことが出来るそうです。

「サガ」と呼ばれる伝承文学を意識して、短く簡潔な表現を心がけているという作者の意図を、
翻訳者も的確に受け止めている文章で、訳文に引っかかるところもなく一気に読めました。

しかし、そこに書かれたテーマは、やっぱりおなじみのもの。
暴力、家族の軋轢、性差別、虐待…、地上のどこにもパラダイスは無いのでした。

だからこそ、評価を冷静にする必要もあります。

私は物珍しさだけで面白いと感じてはいないでしょうか。
アイスランドならではの状況がこの犯罪を作り出していたとしたら、それを差し引いて
小説としての完成度を評価できるでしょうか。

私の感じた面白さには「アイスランド代」が入っているような気がするなあ。
やっぱり、ちょっとでもいいから救い、カタルシスを感じたいのです、どんな小説のジャンルにも。
なので、ぜひ次の作品も読んでみたいです。

そして、世界最大の露天風呂があるというアイスランド、行ってみたいですねえ。

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テーマ:書評 - ジャンル:小説・文学

コメント
私的ドラマな結末。
某T先生からお借りして読み始めた「湿地」。
最初は雨ばかりの陰鬱な自然、
ネクラなタイプの登場人物、全てがじとじとっとして
なかなか読みすすめられなかったのです。

被害者の過去をたどって、事件周辺の事実が次々に明らかになってくると
だんだんおもしろくなり、
「早く結末が知りたい」というミステリーの醍醐味を味わいつつ、
残りあと70ページあまり。

さて、続きを読むべ、と仕事帰りの地下鉄でバッグの中を探すと、ない!
整理の悪い大きなバッグをひっくり返すようにしても、ない!

その時点では、仕事場に置いてきちゃったのね、がっくり、
だったのですが、次の日、仕事場でいくら探しても、ない!

朝、寄り道して「湿地」を読んでいたVeloceに本の忘れ物はありませんか、と
聞きに行っても、弁当箱のようなまんが本を見せられ
「これでしょうか…?」と言われただけ。ない!

ここに至って、私の頭の中に迷いはありませんでした。
Veloceからまっすぐ山下書店に走りました。
新刊で1700円。ちょっとくらくらしましたが
(だって1700円÷70ページ=24.29円!)、
こういうとき恋は盲目です(?)。

一気にラストを読みました。

そして…。
よぴかりさんが「アイスランド代」でかさ上げされたように
私は「1ページ25円」割引で公正な判断ができませんでした…
(うなだれ)。

でも、行ってみたい! アイスランド。
1日に5回も天気が変わり、雨でも誰も傘をささない国、
知ってる人はビョークとアシュケナージ(奥様の籍のため)しかいない国。
あ、「ヴァレンタインズ」のオラフ・オラフソンがいるじゃないか。
   ↑ おもしろいよ。
[2012/08/25 11:23] URL | jefy #a7oJ0Vfo [ 編集 ]

やっと読了。
作者も言っているように、確かにアイスランドを楽しむ本でありますね。
一番驚いたのは、そんなちっちゃな国なんだってこと。日本でいえば地方都市くらいの生活圏が国レベルなんだなと。その特殊さが面白さの一つです。経済が破綻しても小さいから回復が早いし、遺伝子研究の話題も、どこまで事実なのかわからないけど、なるほど、そういう国なら可能なのかと。新たな発見のある本でした。
[2012/09/26 10:17] URL | ままりん #- [ 編集 ]


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