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おもしろ本棚 Ver.2 <よりみち篇>
「おも本」メンバーが、本・映画・ドラマなどなど、熱く思い入れを語る<よりみち篇>。
『運命の日』
運命の日(上)〔ハヤカワ・ミステリ文庫〕運命の日(上)〔ハヤカワ・ミステリ文庫〕
(2012/03/05)
デニス・ルヘイン

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ベストセラー『ミスティック・リバー』のデニス・ルヘインです。
って、実はそっちを読んでないんですけど。てへ。

2008年に単行本で出され、このほど文庫化されたものですが、

うわー!

今年の洋モノMYベスト。
 
 

1910年代末のボストンが舞台です。

1918年にインフルエンザが大流行し、
1919年には、アルコール関連企業の糖蜜タンクが大爆発、
テロリストたちの郵送爆弾による要人暗殺未遂事件、
そしてボストン市警ストライキが勃発。

という史実をもとに、実在の人物を交えてドラマティックに描かれた
壮大な歴史小説というか、アクション小説というのだろうか。

主人公は、後にストライキの首謀者となる一警官のダニー。
これが、いい男なんです。

同じく警察組織にあって、私腹を肥やすことに長けた幹部の父親のもと、
三人息子の長男として生まれたものの、彼は腐敗しきった誘惑に負けず
抜きん出た自立心と意志の強さでもって、茨の道を歩んでいく。

父の命を受けて ボルシェビキの活動組織に潜り込むも姿を見破られ、
やがて、奴隷のような労働条件にあえぐ警官たちを、
自ら率いて救おうと、待遇改善の交渉に乗り出す。

生まれが卑しくも魅力的な、真に愛する女性と結ばれ、
父という身近な権威に背き、体制に抗いながら
ダニーは葛藤を抱えてあらゆるものと闘っていく。

超カッコいい男です。
(あ、もちろんイケメンなんですよ。それは大前提)
不器用な生き方だけれど揺るがない、強い信念を持つ男。

しかし、人生はそういう男になかなか成功を許さない。
物語は後半で一気に炸裂し、人々の不満は
市警のストライキから暴動という無秩序を生み出す。
あまりにも大きな犠牲は、ダニーの自信さえ打ち砕く。

白人、黒人、移民、誰しもそれぞれの生い立ちがあり、暮らしがあり、
個々が直面する課題と、社会を立て直すという大義名分は
常に相容れないものがある。

いくつもの政治的な思惑が交錯し、追い風が向かい風になったり、
群集という大きなエネルギーが予想外の方向に走っていったり。

体制を覆す、革命時における一人ひとりの苦悩と、群集心理が
余さず描かれていて、それでいて作者は感傷に流されない冷徹な目で、
歴史の片隅に消えていく人間たちをシビアにとらえていく。

闘う男ダニーが失ったもの、そしてその手に残したものは・・

完成度の高い、圧倒的な小説です。
感動です。

・・・

実は今、毎週のように永田町でやってる反原発デモに、
いちど参加してみようかという思いに駆られつつあるのですが、

平和裏に育った人間のそういう行動が、いかに甘っちょろいかという
経験者のご意見も巷にはあふれていると知っているのだけど、
それでも一人の人間として意思を示すことに意義があるんじゃないかとも思う。

先に参加した知人がいうには、「ごくフツーのOLとかサラリーマン」とかが
会社帰りに、物見遊山で来てそのまま合流したかのような雰囲気で
形ばかりのシュプレヒコールもあるものの「はい本日はここで解散です」
という穏やかなアナウンスで、あっさり終了するらしい。

それでも何かの火付けがあれば、
いつか穏やかな群衆も暴徒と化すことがあるのかもしれない。

長引く不景気、進まぬ震災復興、不安定な政権。
不穏な空気が日々蓄積される中で、時代はひとつ、何かに向かって
進んでいる空気を、みんな感じ取っているんじゃないだろうかと。

それもまた大きな犠牲の出る行動であったとしてもね。

とか言いながら、「今日は雨だから止めとこ」とか
「もちょっと涼しくなったら行こか」とか、

所詮その程度の行動力なんだけどね。。

・・・・

あ、そうそう。
小説には、ベーブルースの話が並行して描かれるんだけど
これまたいい味出してます。

それでひとつ、試合観戦で売られる
袋入りピーナッツが、なんか「温かい」っぽいんです。
茹でor 蒸しピーナッツなの?

気になる。
 
運命の日(下)〔ハヤカワ・ミステリ文庫〕運命の日(下)〔ハヤカワ・ミステリ文庫〕
(2012/03/05)
デニス・ルヘイン

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