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読書会「おもしろ本棚」のメンバーが、思い思いに「本」「映画」「モノ」「コト」を素顔で語ります☆

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おもしろ本棚 Ver.2 <よりみち篇>
「おも本」メンバーが、本・映画・ドラマなどなど、熱く思い入れを語る<よりみち篇>。
『降霊会の夜』
降霊会の夜降霊会の夜
(2012/03/07)
浅田 次郎

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多様な作品を書かれる浅田センセイですが、
今回は、初期の名作『地下鉄に乗って』を彷彿させる作品です。

素晴らしいです。
 

 
相変わらず、鼻につくほど完璧な小説です。
文体も 構成も そして何より
登場人物それぞれの心情も。

電車の中で読んでて泣けてきます、チクショー。

・・・

よくあるグルーピングだけど、人生には勝ち組と負け組がある。
主人公の「ゆうちゃん」は、今や東京郊外に大邸宅を構えるおっさんだけど、
そもそも生まれてこの方、勝ち組ルートを外れたことがない。

戦後、闇商売でうまいこと儲けた父のおかげで
円満で裕福な家庭で子ども時代を過ごし、

学生運動で大学が封鎖される頃には、金持ちのノンポリ仲間と
パー券売ったりして 優雅に怠惰に遊び暮らしてた。

そんな男の心根は、ひたすら「薄情」の一言に尽きる。

大人になるまで「ゆうちゃん」と呼ばれた彼の周りには
ある種の人々が群がった。

父親から虐待を受ける、貧困家庭の同級生、キヨ。
働きながら定時制高校に通う苦学生の百合子。

生まれながらにして負け組の彼らの人生を、
ゆうちゃんは、育ちの良さからくる素直さゆえか忌避もせず、
苦労知らずの非情さゆえに、決して受け入れることもしなかった。

彼らはゆうちゃんの人生を、一瞬すれ違っただけの人間。

でも、本当はそうではない、と壮年期に達した彼は気づいている。
彼らは自分の人生に、心の奥深くに食い込んでいたのだと。
ただただ薄情に、都合良く人を切り捨ててばかりきた、
それを言いわけで、当たり前のように塗り込めてきた、
そんな己の人生に悔悟の情があることを。

「それはないでしょう、ゆうちゃん」

あああ、どんどんネタバレになるけど、
「降霊会」は、まさしく「降霊会」なのです。
オッサンになったゆうちゃんが、わが人生を振り返り、
いろんなことにケジメをつける物語なのです。

人生の後半に突入された方にオススメです。

特に情の薄いアナタには。

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テーマ:書評 - ジャンル:小説・文学

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