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読書会「おもしろ本棚」のメンバーが、思い思いに「本」「映画」「モノ」「コト」を素顔で語ります☆

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おもしろ本棚 Ver.2 <よりみち篇>
「おも本」メンバーが、本・映画・ドラマなどなど、熱く思い入れを語る<よりみち篇>。
水沢秋生 『ゴールデンラッキービートルの伝説』
ゴールデンラッキービートルの伝説ゴールデンラッキービートルの伝説
(2012/01/20)
水沢 秋生

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タイトルの「ゴールデンラッキービートル」とは、
ゴミ捨て場に乗り捨てられていたフォルクスワーゲン(カブト虫=ビートル)のこと。

雨風にさらされて黄色だった車体は塗料が剥げ落ち、変色し、ときおり黄金色に輝いて見える。
この一台の車を彼らの秘密基地にした小学6年生の三人の少年と少女は、
かけがえのない時間をともに過ごす……。



走るのが速いだけが取り柄のジュンペイ、ぼんやり本ばかり読んでいるコウタ、
そして過酷な家庭環境にある〃魔女〃ヒナ。

古今東西、小説やマンガ、映画で扱われ、数多くの名作を生んだ、
男2人プラス女1人の〈聖なる三角関係=ホーリートライアングル〉。
不安定で、ほんのわずかな衝撃でもろくも壊れてしまうガラス細工のような関係でありながら、
それでも微妙なバランスを保ち続けている、その瀬戸際の美しさ。
でも、実はそのはかないまでの美しさや、三人の関係が
決して永遠に続かないものであることを僕たちは知っている。
そう、かつて詩人が、「はかなさこそ人生の輝き」と詠んだように……。

三人の冒険自体は、これといって新味はない。人物造形もステレオタイプと言ってしまえばそれまでだ。
だけど、それでも、心を閉ざして一人ぼっちで生きているヒナ(美少女でないところがいい)が、
次第に心を開き何かを取り戻していくところはグッとくる。
突然訪れた別れの日、三人が空にかかる日暈を仰ぎ見ながら再会を誓うシーンは感動的だ。

物語の途中何箇所かに、6年生3組のクラスメイトの25年後の姿が挿入されて描かれるが、
これって必要なんだろうか。小学生の頃にまじめだったり、
優等生だった子どもほど大人になったらろくな人間になっていない事例ばかりで、
終章で明らかにされるの三人の25年後を際立たせる効果はあるのだろうが……。
その終章は、ややできすぎ、作りすぎの感は否めないが、
三人の再会とそこから始まるであろう新たな〈聖なる三角関係〉を暗示させて
さわやかなエンディングとなっている。

この作品は、第7回の新潮エンターテインメント大賞の受賞作。
単行本化に当たってタイトルを応募時の『虹の切れはし』から改題したそうだが、
オリジナルタイトルのほうがずっといいと思うのは僕だけではないだろう。
作者は、名前だけでは男か女か判別がつかないが、作中、ヒナの姓が同じ水沢であること、
25年後のヒナが職業作家になっていること、などから、
作者は自らのペンネームを「作家になったヒナのペンネーム」としたと考えるのはうがちすぎだろうか。

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テーマ:書評 - ジャンル:小説・文学

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