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読書会「おもしろ本棚」のメンバーが、思い思いに「本」「映画」「モノ」「コト」を素顔で語ります☆

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おもしろ本棚 Ver.2 <よりみち篇>
「おも本」メンバーが、本・映画・ドラマなどなど、熱く思い入れを語る<よりみち篇>。
『杏っ子』
杏っ子 (新潮文庫)杏っ子 (新潮文庫)
(1962/06)
室生 犀星

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室生犀星月間なのです。ワタクシはね。

ドラマ「火の魚」を観て、渡辺あやさんの脚本の元となった
同名小説を手にしたのが、犀星を読むきっかけだった。
それまで、この著名な作家の小説に触れたことはありませんでした。 
 
 
調べれば多作な方で、「火の魚」で作家を演ずる原田芳雄さんが
「売文」と自嘲するような作品を書く時代も実際にあったようだけど、
息が長く、むしろ晩年に力作を残されていると知りました。

作品は基本的に私小説で、起伏に富んだストーリーがあるわけではない。
けれど、私生児として生まれ、親の愛を知らずに育った作家が
若くして下半身不随となった妻を献身的に支えながら、
一男一女を育て上げ、良き夫、良き父として過ごした家庭人としての生活を

生きることのつらさやかなしみを知る人の目で描いた小説は
どれも率直で端的、嘘のない言葉にあふれています。
いくつもの作品を読み重ねると、犀星という作家の生きざまを、人となりを
読んでいくという感じで、深入りしてしまいます。

『杏っ子』は自分の長女をモデルに、その誕生から少女期への成長、
さらには嫁にやり、その結婚生活の悲惨と失敗までが描かれた長編小説ですが、
父として娘を見る目、人生の先輩として後輩を見る目、
さらには男として女を見る目をもって、主観的にも客観的にも
杏子という一人の女性像を描き出しています。

詩人でもあるその文体は耽美的で、どの作品においても
女性はときに生々しく、官能的に描かれますが、そこには
私生活ではさほど放蕩ぶりは見られない犀星の、妄想というか
観念的な性愛というか、妥協なき女の理想像が追求されている気がします。

今の時代には手にとりにくい小説だと思いますが、前から思うのは
性欲、食欲、生きるうえでの本能的な思いにつながるものは
生活背景が違っても、古臭さを感じずに読めるものだなあと。
こういう本を読書会で読むのもたまにはいいよね。
と、次の課題本に『密のあはれ』を挙げた推薦人は思うのでした。

例会で、みんなの意見が聞けるのが楽しみです♪
 
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テーマ:書評 - ジャンル:小説・文学

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