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おもしろ本棚 Ver.2 <よりみち篇>
「おも本」メンバーが、本・映画・ドラマなどなど、熱く思い入れを語る<よりみち篇>。
『残念な日々』
残念な日々 (新潮クレスト・ブックス)残念な日々 (新潮クレスト・ブックス)
(2012/02/29)
ディミトリ フェルフルスト

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巷でちょっと話題の
ベルギーはフランダース地方の小説。

フランダースと言えばネロ少年とパトラッシュですが、
作家の自伝的小説でもあるらしいこの本の舞台は、
とある架空の村の、やはり貧しき家庭です。
 
 
新潮社のHPには

母に棄てられ始まった、父の一族とのとんでもない日々。
貧しい実家にベッドを並べ、カフェに繰り出しては夜な夜な
ビールをあおりつづける父とその弟たち。
甲斐性なしの息子どもを嘆きつつ、ひとり奮闘する愛情深い祖母。


と、なんだか穏やかに書かれてはいるものの
主人公のディメトリー少年が育ったのは、
日本で言えば、民生委員や児童相談所がマークするような家庭です。

父はアル中。同居の3人の叔父も似たようなもん。
ゲロと排泄物にまみれた不衛生な汚部屋で
およそ躾らしいものも受けることなく少年は育ちます。

それでも家族は仲がいい。誰もうるさいことを言わないので
貧しくともひたすら陽気に、将来の展望なんぞなくとも楽しく笑って
最低限の労働とバカ騒ぎの中で毎日を過ごしているのです。

村での暮らしを振り返る作家の目は、とても慈愛に満ちていて
それがこの小説をあったかいものにしています。
破天荒な楽天主義者たちの物語。軽妙な語り口。
ベストセラーになったのもよくわかる。

だけど、おしまいの章まで読むと切なくなるの。

作家は、実生活では中学のときに自ら保護を求め
里親の家で初めてまともな教育を受けて、社会に出て
小説家として脚光を浴びてゆく。

愛すべき人々は、今も変わりはないけれど、
彼はもうそこには戻れないと知っている。

訛りの強い土地の言葉を使うことはもうない。
好きでもない女が勝手に生んだ自分の息子にさえも、
自分が育った環境からは遠ざけたいと願っている。

残念だけど愛おしい日々。
愛おしいけれど、最低の日々。

しみじみとココロに沁みる、いい小説でした。
イケメン作家だし。ま、それはカンケイないが。

ただ、もうひとつ、この小説にはさらに残念なことが。

それはフランダース地方の、貧しい地元民が使う土地の言葉を
標準語と対比させるために翻訳者があえて選んだのが
「ひかえめ(=ナンチャッテ?)な関西弁」
ってやつで、なんじゃそれ??

遠いベルギーの片田舎に住むアル中のおっさんらが
終始ナンチャッテ関西弁で戯言を繰り返すサマが
どうにも違和感を覚えてしまうのでした。

もちょっと、何とかならんかったんか?
 
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テーマ:書評 - ジャンル:小説・文学

コメント
今年のベスト3にランクイン。
いい小説だったー。

ベルギーの田舎町のどうしようもないけど、誇り高い一家のお話は
「ばっかじゃないの?!」と呆れつつ、笑いつつ、
だんだん胸がきゅんきゅんして泣きそうになりました。

ベルギーについてこんなジョークをよく聞きました。
「スイスに海軍省ができたって」
「えっ、海ないじゃん」
「ベルギーにだって文化省があるじゃない」

でも、実際に数日だけど滞在したブラッセルの街には
ギャラリーと古本屋さんがいっぱいあって、
文化あるじゃん、と思ったものでした。

ベルギーの人々は
略奪品並べて何が文化だよ、そんなもんいらねーよ、みたいな
「文化」への矜持のようなものがあるのかもしれない。
この本を読んでそう思いました。

故郷、家族を自分から捨てて、遠くで生きていくことを選んだ
作者だからこそ、こんなに愛情深く故郷と家族を語れるというパラドックス。
それがいかにもベルギー人なのかもしれません。

毎日耳にしながら自分では歌うことのなかったいやらしい歌を、
ぼけても実はしっかり覚えてて
さらっと歌っちゃったばあちゃんが素敵でした。
今年の「かっこいいばあちゃん」ベスト3に確実にランクインです。

[2012/11/01 21:48] URL | jefy #a7oJ0Vfo [ 編集 ]


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