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おもしろ本棚 Ver.2 <よりみち篇>
「おも本」メンバーが、本・映画・ドラマなどなど、熱く思い入れを語る<よりみち篇>。
『共喰い』
共喰い共喰い
(2012/01/27)
田中 慎弥

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記者会見が いちばんの販促になった感のある
田中慎弥さんの芥川賞受賞作。

川端康成、谷崎潤一郎、三島由紀夫に感化され、
高校卒業後、一切働かずに小説を書き続けたと聞けば、

おそらく今風とは言い難い 昭和の純文学なのだろうと推察し、
確かにその印象は違ってなかったけれど、

しっかりと実が詰まり、身の締まった
大変いい小説でした。


時は昭和63年、とある地方都市(作家の出身地の下関?)に
暮らす17歳の男子高校生、篠垣遠馬が主人公です。

60近い遠馬の実母、仁子は、夫と子を置いて家を出、
目と鼻の先にある小さな魚屋で一人暮らしている。
その昔、戦火で失った右腕の先端に取り付けた
金属製の義手もどきで器用に魚をさばき、細々と生計を立てている。

遠馬は、バッタ屋とも何とも知れぬ仕事をしている父の円と
水商売を続ける35歳の後妻、琴子との3人暮らし。

この父親がロクでもない男で、いろんな女に見境いなく手を出すばかりか、
コトをいたすときに女を殴りつける性癖の持ち主。

遠馬もまた、性欲著しい年頃の少年として、
欲望のおもむくままにガールフレンドとヤリまくるけど
恋愛と呼ぶには、あまりにも直情的で未熟な性を持て余している。

遠馬は、父が琴子を打擲する性の営みを盗み見ながら、
己にも、父親の悪しき血が流れているのではないかと恐れる。

二人の母、いびつな家庭、歪んだ性、体を売る町の老女、
汚水の淀んだ川辺、重苦しい青春。

ねっとりとしたドブ川の汚臭が漂うようなこの小説は
親と子がもつれあい、互いを蝕み合う結末にたどり着きます。

・・・

で、いろいろ思うところを以下に。
ちょー長くなりそ。

「父と息子」には、「母と息子」とは違う特別な結びつきがある。
『増大派に告ぐ』も、それぞれろくでもない父親との確執を
抱えた2人の息子の話で、考えさせられたんだけどね。

思春期の息子は、概して自信がない。
偉い父親ならば敬意を払い、かつ萎縮し、屈服する。
最低の親ならば、侮蔑しつつも、同類の自分を嫌悪する。

うーん。男は皆、バカだよね。

女きょうだいしかいなかった私は、男というイキモノが
長いことわからなかった。

でも男社会で仕事をして、結婚して、息子を持って、
いろんな経験をしてきた今は、心から言える。

やっぱり男は、一生バカだと。

もちろん女もバカなのである。だって人間、皆バカだから。
だけど、女が男と違うのは、

女は男のバカを理解し、男は女のバカを理解してないってことだ。

仁子と琴子というふたりの女は、
いや、ガールフレンドの千草も、名前のない安い町の売女も
誰もが傷つけられた体と心で、バカ父とバカ息子を冷静に見つめ、
諦めと哀れみの中にくるみ込んでしまう。

そして琴子と仁子は、それぞれに思い切った決着をつける。
女の冷徹さと潔さで。

深い小説だと思う。
田中さんという作家を信頼したい。

結局、

女は、この世に男を送り出した性だから、
心に痛みを抱えながら、男を慈しむのでしょうか。

それもまた、女ならではのバカなんだよね。
男と女のバカめぐり。

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テーマ:書評 - ジャンル:小説・文学

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