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おもしろ本棚 Ver.2 <よりみち篇>
「おも本」メンバーが、本・映画・ドラマなどなど、熱く思い入れを語る<よりみち篇>。
『崖っぷち』
崖っぷち (創造するラテンアメリカ)崖っぷち (創造するラテンアメリカ)
(2011/12/08)
フェルナンド・バジェホ

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南米はコロンビアの小説です。
フェルナンド・バジェホさんは、今年70歳になる
有名な作家らしいのですが、邦訳はこれが初、とのこと。

帯に「拝啓、クソったれ世界様」とあるけど、
なんとも痛快で やるせない
「クソ野郎」の愛と憎しみが交差する
ラテンの家族愛小説、でした。

 
 
作家自身が本名で登場し、一人称で語られる、というか
全編マシンガントークで繰り広げられる
自伝的要素の含まれた小説です。

フェルナンドは「気狂い女」の長男として生まれ、
実の母親に「クソ野郎」呼ばわりされながら、
二十人以上の、クソな弟や妹たちを親に代わって育て上げた。

今はとっくに故郷を離れ、壮年期に差し掛かったフェルナンドですが
「気狂い女」が一番下の弟「気狂いキリスト」とともに支配する家を
憤怒に駆られつつも、事あるごとに訪れる。

「事」とは、肝臓癌にかかって死の床にある父を看取るため。
そして、その数年後には
最愛の弟、ダリーオがエイズにかかって死の床にあるのを救うため。

死神が階段の隅に腰掛けた家に足を踏み入れるたび、
フェルナンドは怒りを振りまき、ありとあらゆるものに悪態をつく。
ともに美少年たちと愛を交わし、麻薬に手を出し、
飽きて止めたフェルナンドと、どこまでも堕ちていった「無責任」男のダリーオ。

憎きもの、それは家族、社会、政治、コロンビア。

父の死と、弟ダリーオの看病、それぞれの記憶を
行ったり来たりしながら、フェルナンドの罵倒は止むことを知らない。

それにぐいぐい引き込まれてしまうのは、フェルナンドの
言葉の暴力が、あまりにもセンスが良くて痛快で、的を射てるから。

原語に勢いがあるんだろうけど、翻訳モノとは思えない迫力です。
ヘタなエンタメの、リアリティのないチャラい会話を書いてる日本の作家は
ぜひ一度、この小説を読んで「センス」ってものを磨いてほしい。

しかし、フェルナンドの怒涛の悪態を読んでるうちに、
彼の人生の悲哀が痛いほど伝わってくる。
そして、今の彼を生み出したルーツ、すなわち「家」が「一族」が「国家」が
いかに憎むべきものか、それでも愛すべきものかが
切々と 伝わってくるのです。

何の先入観も待たずに触れた本ですが、いい出会いでした。
いい小説です。おススメです。

そうそう、表紙の可愛い写真は、
金髪の巻き毛が弟ダリーオで、後ろから抱いているのが
お兄ちゃんのフェルナンドだそうです。ホンモノです。

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テーマ:書評 - ジャンル:小説・文学

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