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読書会「おもしろ本棚」のメンバーが、思い思いに「本」「映画」「モノ」「コト」を素顔で語ります☆

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おもしろ本棚 Ver.2 <よりみち篇>
「おも本」メンバーが、本・映画・ドラマなどなど、熱く思い入れを語る<よりみち篇>。
『「朝日」ともあろうものが。』
「朝日」ともあろうものが。 (河出文庫)「朝日」ともあろうものが。 (河出文庫)
(2009/06/04)
烏賀陽 弘道

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昨年末に、最後の司書講習のスクーリングをうけたとき、
「全ての情報は疑ってかかるべき」
つまり、どんなものも鵜呑みにしてはいけない、
批判的、多角的に物事を捉える姿勢が大切である、

と 今さらながらの教えを受け、
「良い例」として紹介されたのが この本です。

 
 
単行本は2005年に出てますが、
これは朝日新聞に、新聞記者および雑誌記者として
17年間勤務し、その腐った社風に嫌気がさして
40歳で退社した烏賀陽さんの、いわゆる内部告発本です。

曰く、日常的に捏造記事が書かれ、
組織が至上であり、読者を置き去りにした
「エリート」社員らの問題意識の低さ、権力者たちとの癒着、

このような大新聞の腐敗を憂えるからこそ
記者としての正義を貫き、内情を語るのだ、という意気込みで
書かれた本です。

そもそもは、自分のHPに載せたら、かなりの反響を呼んで
出版化が実現したらしい。

疑問は、地方局に配属された新米記者時代から始まる。
交通事故の記事に、読者の目を引くような、
ドラマチックな嘘の見出しをつける、
閑古鳥が鳴いてるイベント会場で、「絵になる」ように
係員にお客を装ってもらって、写真を撮る。

こうした些細なゴマカシは、どこまで許されるか。

1ミリも許されるべきではない、というのが、烏賀陽さんの主張。

朝日の捏造といえば、沖縄サンゴ礁の「KY」写真が思い浮かぶけど、
それは氷山の一角で、発覚しないものはそのままやり過ごされていく。
そういうことを良しとする体質は、ささやかな不正の延長線上にあると。

正論ですね。

闘う彼の記者生活は、もちろん正しく思える。
自分は一切、不正には手を触れずにきたというのも多分そうだろう。

でも一方で、それさえも批判的に読む姿勢がついてるワタクシ。
この本には、筆者個人の私憤も込められてはいまいかと。

烏賀陽さんの最初の赴任地が、私の出身地であり、
私もまた、彼と同じく17年の会社員生活を送って
40歳を前に退職した人間なので、自身と重ねて考えるところも多かった。

小さな「不正」は、朝日にかぎらず、どこでもあるだろう。
大企業ではなかったが、私の勤める会社でも、「これでいいのか」と
思い悩むことは、数限りなくあった。顧客より会社優先じゃないかと。

もちろん、それでいいわけではない。
でも、何が何でも「正義」を振りかざすことが正しいとも思えなかった。
それでも良心に照らして「ダメ」と思えば、上司ともぶつかった。

三菱自動車のリコールだって、担当者はギリギリまで悩んで
生活の安定を捨ててでも、正義を貫いたんだろう。

そのジレンマが、サラリーマン、ひいては社会人の背負うものなんでない?
より良いものを作ろう、売ろうという姿勢、
良心的な商品とサービスで、社会に貢献すること。
それを「理想」として努力しつつ、立ちはだかる課題に折り合いをつけていく。
そういう性を、サラリーマンは背負ってないか?

もっとも、この本が書かれた時代と今は変わった。
「コンプライアンス」なんて言葉も普通に使われるし、

公務員の天下りやコネ採用や、いろんなことの締め付けが厳しくなった。
何より、マスコミにおいては インターネットの普及で
取材された側が「あれはでっち上げだ」なんてネットで世界中に
広めることもできる時代になった。

「ウソ」はつきにくい時代になったのだ。
皆が「ウソ」を見破る手段を持ち、簡単に騙されなくなった。
いくらでもタダで大量に、迅速に情報が手に入る今、
新聞や雑誌の金銭的価値は格段に下がった。

烏賀陽さんが憂えるより前に、大新聞でさえ存続の危機が迫っている。
この本に書かれているような、仕事でも私用でもハイヤーを乗り回したり、
大新聞だからと接待を受けたり、いろんな特権を享受できてた時代は
もはや閉じつつあるんだろう。

社会のルールは、より強固に人々を縛る。
正しいことは、ちょっと息苦しいことでもある。
人間は、ちょっとマチガイを冒してみたくなる生き物だから。

まあ、そこがズルズルマヒしちゃうと、この時代に
オリンパスみたいな事件が起きちゃうんだろうけどね。

難しいけれど、やっぱり悩みながら生きていくしかないとも思う。
過ちを悔いて、救いを求めて。
でも、心はまっすぐに、「これはしてはいけない」という
自分なりの基準をもって。

ちなみに退職後はフリーになられた烏賀陽さん、
検索してみると、署名記事でオリコンに訴訟を起こされたり、
最近はツイッターでも、誰か著名人と闘ったりされてるらしい。

やはり、平和裡には暮らせない方なのね。
ハードな人生だなあ。


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テーマ:書評 - ジャンル:小説・文学

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