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おもしろ本棚 Ver.2 <よりみち篇>
「おも本」メンバーが、本・映画・ドラマなどなど、熱く思い入れを語る<よりみち篇>。
『木村政彦はなぜ力道山を殺さなかったのか』
木村政彦はなぜ力道山を殺さなかったのか木村政彦はなぜ力道山を殺さなかったのか
(2011/09/30)
増田 俊也

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2段組・701ページ。渾身のルポ、です。

木村政彦が誰かも知らず、
格闘技にもまるで関心のなかったワタクシですが、

ひとりの格闘家を追い続ける、筆者の怨念じみた情熱に打たれ、
正月三が日で、一気に読み上げてしまいました。

 
 
木村政彦は、大正生まれの史上最強の柔道家です。
知ってた?

木村は熊本の最貧層の家庭に生まれながらも、
柔道の才能が買われ、一生の師となる牛島辰熊の指導のもと
拓大で技に磨きをかけ、在学中に天覧試合で優勝するまでになる。

が、戦後プロの世界に転向し、海外巡業を重ねて帰国した後、
黎明期のプロレス巡業を、力道山と組んで行うようになり、
その力道山との決戦試合に立ち向かうも、徹底的にたたきのめされて
格闘技界の一線から退くことになる。

という悲運の格闘家なんです。

しかし筆者は、力道山との対戦は元来「引き分け」という
シナリオあってのもので、それが力道山の裏切りによって
木村のレスラー生命が絶たれたのであるとし、

史上最強の格闘家、木村の屈辱をはらそうと
17年の長きにわたり、入手できるかぎりの資料を集めて
書き表したのが、この長大なルポなのです。

いや〜その執念に感服。

歴史的な一線に至るまでの、木村政彦と関係者の人となりはもちろん、
古来「武術」として発達した柔術が
柔道と呼ばれ、スポーツとして確立されていくまでの
歴史的な経緯が、この本には余さず記されています。

しかし、それは単なる事実の羅列ではないのです。

木村は、恩師・牛島のような極右的思想はカケラも持っていない。
力道山らのように、政治的なバックグラウンドを構築して
テレビという新規メディアの発達とともに、プロレス興行を
一大ビジネスに仕立てていく先見性を持っているわけでもない。

ただ「強い」だけの男。
勝つためだけに、極限まで体を鍛え続け、人間離れした
格闘能力を身につけた男。

その実、練習にはストイックでありながら、
酒も女も何でもござれ。品行方正とは言い難い、
犯罪まがいの悪行を重ねる野蛮な人間。

それらすべてを引っ括め、ただ不器用に
浮き沈みの激しい人生の波に流された木村の
人間臭さが、自身も柔道家であった筆者の
執筆のモチベーションとなったのでしょう。

センセーショナルな本作品のタイトルも、
半分あたりまで読み進む頃には、実にすんなりと理解できます。

もちろん、膨大な資料を元にしているとはいえ、真実が何かは
誰にもわからない。この本を読めば、力道山の
極悪非道ぶりが嫌でも目についてしまうけど、
それはそれで、在日の人種差別を嫌というほど受けた
彼なりの処世術があったのだろうという気もする。

それでも読んでよかったなと思うのは、
いまだ多くの人を引きつけてやまない
木村政彦という人間の魅力を、知ることができたこと。

五輪競技になるまでの柔道の発展の経緯と
政治的、時代的な背景に触れられたこと。

まるで知らない世界のことが解き明かされる興奮を
しっかりと味わえた1冊でした。

・・・ところで、強い柔道家は、なかなか穏やかな人生を送れないものらしい。

今の時代で言うと、石井慧が木村政彦タイプ、とのこと。

ナルホドね。

うん、でも石井の態度を強く非難してた内柴も
やはり波乱万丈な人生を送りそうではあるな。

人生、まだ長いので、今後の出直しを望みたい。

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