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読書会「おもしろ本棚」のメンバーが、思い思いに「本」「映画」「モノ」「コト」を素顔で語ります☆

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おもしろ本棚 Ver.2 <よりみち篇>
「おも本」メンバーが、本・映画・ドラマなどなど、熱く思い入れを語る<よりみち篇>。
クリスマスに読めてラッキー「すべて真夜中の恋人たち」
すべて真夜中の恋人たち

「ヘヴン」から2年、川上未映子渾身の恋愛小説、
と腰巻きにあります。
「ヘヴン」は読みながら苦しくて、正面から向き合えず
感想を書けなかった私でしたが、読みたい!と思いましたねー。

川上さんがどこかのサイトに
「読んだ人の心の中で何かが発光することを願って書いた」と
いうようなことを語っていました。

なんだか優しい人になってるじゃん、未映子、と思った記憶があり、
その後しばらくして、阿部さんとの結婚の報にふれたので、
幸せ未映子が書いた恋愛小説なのねという、先入観で読み始めました。

フリーの校閲者、34歳の冬子さんは人付き合いが苦手で、
友達もほとんどなく、誕生日であるクリスマスイブの夜、
一人で散歩するのが唯一の楽しみというような人生を送っています。

そんな彼女が、偶然知り合ったのが58歳の物理教師三束さん。
色の褪せたポロシャツ、後退したひたい、角のすり切れたかばん、
どこをとってもくたびれたおじさんですが、
ぽつぽつ話す冬子さんのとりとめのない話を聞いて受け止め、
「今度は光の話をしましょう」と言う静かな口調がすてきです。

二人は週に1度、喫茶店で向き合って座り、
1杯のコーヒーを飲む間だけ話をして、駅まで歩いて別れます。

今どきの恋愛小説は小道具がたくさん登場し、数多くの言葉が交錯し、
主人公たちが右往左往し、にぎやかで忙しく、
読者も一緒にぶるんぶるんと振り回されるような話が多いのですが、
この小説の恋愛はとてもとてもシンプル。

1冊の光の本、1曲のショパンがあるだけ。
少しの会話があるだけ。
冬子さんの気持ちもシンプルです。
それだけに、冬の星空のような、
きーんと張りつめた空間の広がりが物語の中に感じられます。

でも、圧倒的! 頭上に広がり、包み込み、迫って来るような存在感。
もう今さら新鮮な恋愛小説なんてないんじゃない、と思っていた
私はアッパーカットをくらった気分。
川上未映子は、すごい!

冬子さんの誕生日のクリスマスイブに
この本を読めた私は幸運だわと思いました。
ちょっとつらいこともあったイブの夜でしたが
(西武新宿線脱線事故で電車に閉じ込められたり)、
この本のおかげで豊かな気持ちで1日を終えることができました。


すべて真夜中の恋人たちすべて真夜中の恋人たち
(2011/10/13)
川上 未映子

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テーマ:書評 - ジャンル:小説・文学

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