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読書会「おもしろ本棚」のメンバーが、思い思いに「本」「映画」「モノ」「コト」を素顔で語ります☆

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おもしろ本棚 Ver.2 <よりみち篇>
「おも本」メンバーが、本・映画・ドラマなどなど、熱く思い入れを語る<よりみち篇>。
納棺夫日記
の

映画「おくりびと」の元になった本です。
「おくりびと」は観てませんが、
読んでみたいと思っていた本でした。


 
著者の実体験に基づいた記録なのですが、読み始めると
北陸の冷たく暗く重い冬の風景描写が美しく、小説のように
滑らかな筆運びの本でした。

もともと、かの地では「納棺」は親族による儀式として執り行うもので、
それを専門とする職業はなかったとのこと。

昭和12年生まれの筆者は満州からの引揚者で、親兄弟とも死に別れ、あるいは生き別れ、
東京の大学に進学するも中退し、生家のある富山に戻って、詩作に励みながら
散漫経営していた飲み屋をツブし、妻子を抱えて困窮したところで
葬儀社の求人広告に応募し、死者の世話をするうちに「納棺夫」と呼ばれるようになった、らしい。

決して楽ではなく、身内からも蔑まれるその仕事の特殊性が
初めに語られ、それはそれで とても興味深いのですが、

続く章には、数多くの死に向き合いながら、筆者がしだいに得ていく
生死観、宗教観が語られていて、この本を奥深いものにしています。

死が身近にあった昔は、生と死の境界が曖昧で、それは雨でもなく雪でもない
かの地の「みぞれ」のようなものだったと。

「死」が遠ざかり、ただ忌み嫌うべきものとなった今の世のあり方に
筆者は違和感を覚え、生きている間の善悪はいざ知らず、誰しも安らかに眠る顔を見て、
どのように死を受け入れるべきかを模索します。

その死生観に多大な影響を受けたものとして、東北出身の宮沢賢治の作品や
親鸞の「教行信証」に描かれた世界が、筆者独自の解釈で語られると、

ノーテンキに日々を生きてる自分を省み、思わず姿勢を正してしまいますね。

このトシになれば、決して「死」は縁遠いものではなくなってきているのに。

「親鸞」といえば、学生時代に、それを研究するサークルの勧誘が執拗で
恐ろしかったという記憶があるばかりで、その著書をひもとこうなどとは
夢にも思わなかったのですが、何か読みやすそうなものを探してみようかと思いました。


・・・・・・

同世代の友人たちと飲んだとき、中の二人が母親を亡くしていて、
どちらも「お母さん大好き」な仲のいい親子だったので、
火葬場の釜に棺が入れられるまで号泣し続けたそうなのですが、

灰と化した姿を見た瞬間に、諦めがついたというか、涙がぴたりと止まり、
淡々とお骨拾いをしたと言うのを聞いて
「それはやっぱり、必要な儀式なんだね」と思いました。

私自身は、お墓に入るより、どこかに散骨してほしいと思っているのですが、
遺された人=後から行く者の訣別のためにも、形ある弔いの儀式を行うことは
とても大切なことなのかもしれません。


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