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おもしろ本棚 Ver.2 <よりみち篇>
「おも本」メンバーが、本・映画・ドラマなどなど、熱く思い入れを語る<よりみち篇>。
『ブエノスアイレス食堂』
ブエノスアイレス食堂 (エクス・リブリス)ブエノスアイレス食堂 (エクス・リブリス)
(2011/10/08)
カルロス バルマセーダ

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長閑なタイトルだけど「ブエノスアイレス食堂」は、
ひなびた田舎の駅前食堂なんかと同じ趣の店ではなく、

代々の天才料理人たちが 独創性ある芸術的なメニューを考案しては、
地元民から旅行者、庶民から要人まで虜にしたグルメのレストランです。

そしてこの小説は、そこを舞台として描かれた、

なななんと!

アルゼンチンの暗黒小説というか、猟奇小説なのです。

 
 
そもそもは、第一次大戦よりも前に、イタリア移民として
マル・デル・プラタという街に流れ着いた双子の天才料理人が
オリジナルの豊富なレシピを手に開いたのが、ブエノスアイレス食堂の始まり。

その後、双子は非業の死を遂げるのだけど、レシピは同じ才能に恵まれた
血縁者の誰かに引き継がれていき、その一方で、戦争や政変などなど
世の流れとともに、食堂は幾度となく閉店を余儀なくされる。

それでも食堂はまたも開かれ、ますます人気を博する店となっていくのです。

ここまでは、いい話だ。

ブエノスアイレス食堂を最後に引き継いだのは、1978年生まれのセサロ・ロンブーソ。
両親を早くに亡くしながらも、持って生まれた素晴らしい味覚と嗅覚でもって、
彼は双子が遺したレシピを見事に再現します。

しかし、コイツが悪魔の生まれ変わりとも呼ぶべき人間で、
70年にわたる食堂の歴史を、惨劇で締めくくるのですよ。

・・・・

ま、ネタばれっちゃネタばれになるかも、なんだけど、
実は、物語は1ページめからセサロの最初の殺人とカニバリズムで始まるので、
読者はいきなりの衝撃でもって、その猟奇性を受け止めねばなりません。

だから後は、セリフの全くない淡々とした地の文を読み進みながら
人間の感情を廃して、ただ食欲と、それに次ぐ性欲のみが際立つ
この小説の真髄を、どう読み解くかってことに尽きます。

読みながら、私は
昔、読書会の課題本として出会った『料理人』って本を思い出しました。
もちろん猟奇的な小説ではないけど、料理人のコンラッドが
人々の胃袋を捉え、魅惑の料理で狂気に陥れるような、
そんな空恐ろしい感がした話だったという記憶があります。

食欲は、最も強い人間の本能であり、生命に関わるもの。
だから普遍的なテーマになるんだと思うけど、
この小説でのカニバリズムは、いわば最高の美食を追求した
観念的なものともいえるので、吐きたくなるわけではありません。

悪の誘惑といおうか。

だから、面白いといえば面白い小説です。
しかも作家のバルマセーダ氏はイカしたおっさんです。
ガルシア=マルケスを発掘した出版社に見初められた作品らしいので、
注目の南米作家なのでしょう。

万人向けとはいえないけどね。


ついでにこっちもご紹介。
   ↓
料理人 (ハヤカワ文庫 NV 11)料理人 (ハヤカワ文庫 NV 11)
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