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読書会「おもしろ本棚」のメンバーが、思い思いに「本」「映画」「モノ」「コト」を素顔で語ります☆

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おもしろ本棚 Ver.2 <よりみち篇>
「おも本」メンバーが、本・映画・ドラマなどなど、熱く思い入れを語る<よりみち篇>。
せつないけれど哀しくない「こちらあみ子」
こちらあみ子

腰巻きによれば「驚異の新人・今村夏子さん」の、
三島由紀夫賞&太宰治賞ダブル受賞のデビュー作です。

主人公あみ子は風変わり、というか、
たぶん小児メンタル・クリニックに行ったら
何か病名がつけられるような子ども。

人との会話が上手にできません。
でも明るい。そして、迷いがない、清々しい少女です。

お母さんはお父さんの後妻さんで、義理の母子です。
あみ子はお母さんの手料理が大好きで、
お母さんのおなかで育っていく弟か妹と遊べる日を
楽しみにしています。

お父さんに買ってもらったトランシーバーで
弟か妹とスパイごっこをすることを想像し、
「こちらあみ子、おーとーせよ」と話しかけます。

ところが赤ちゃんは死産。
それ以来、お母さんはひきこもりに、
お兄ちゃんは不良になってしまいます。

あみ子は同級生の「のり君」が好きで
「好きじゃ」と言って、のり君に殴られてしまいます。
のり君を思い続けたあみ子を
「すげえね、あっぱれあっぱれ」と言ってくれる
坊主頭の男子がとてもいいヤツで
「円卓」のぽっさんといい勝負。

坊主君の方がのり君よりずっとあみ子に寄り添ってくれているのに、
あみ子はその子の名前すら覚えようとはしないので、
坊主君は名前が出て来ません。

ああ、こんなにすてきなのに…。

応答のないトランシーバーに象徴されるあみ子のせつなさ。

それは、同時に収録されている
「ピクニック」の七瀬さんのせつなさとも通じるものがあります。
ところが、どちらも決して哀しくはない、
不思議な透明感のある世界を構築した、
今村さんはやっぱり凄い新人だと思いました。


こちらあみ子こちらあみ子
(2011/01/10)
今村 夏子

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テーマ:書評 - ジャンル:小説・文学

コメント
読みました
帰りの電車で読みました。

う〜ん。
なんとも残酷で 切なくて、ココロの隅っこを
きゅうっと絞られるようなお話でした。2篇とも。

才能のある人ですけどね。
[2011/11/21 22:57] URL | ままりん #- [ 編集 ]

おもしろいねえ。
同じ本を読んでも違う感じ方をするんだねえ。
おもしろいです。

そうかあ、残酷かあ。
家族の小説として読むと結果はたしかに残酷かも。
私はきっと、あみ子の小説として読んだのでしょう。

あみ子は自分のことを変わっているとも
かわいそうとも思ってないのがわかるので、
私は哀しくなかったのだと思います。
[2011/11/23 13:24] URL | さらだ #a7oJ0Vfo [ 編集 ]

Re: おもしろいねえ。
何が残酷だと感じたかというと、

うーんと、登場人物のそれぞれに一定の距離感を持って
こういう小説を書き上げる、客観的な作家のスタンス、かなあ。

知的障害を持たない大半の人間にも
「あみ子」と共通するものは心のどこかにあって、
彼女はそれを体現した「見たくない存在」だから、誰からも嫌われる。
(ピュアな子どもには受け入れられるけど)
でも、彼女自身は、とらわれのない自由な姿で生きてる。

上手い小説だけれど、読んでて辛くなりますね。
[2011/11/23 13:46] URL | ままりん #- [ 編集 ]


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