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読書会「おもしろ本棚」のメンバーが、思い思いに「本」「映画」「モノ」「コト」を素顔で語ります☆

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おもしろ本棚 Ver.2 <よりみち篇>
「おも本」メンバーが、本・映画・ドラマなどなど、熱く思い入れを語る<よりみち篇>。
じっくり堪能、「20世紀最大の絵画詐欺事件 偽りの来歴」
偽りの来歴

1980年代後半から1990年代にかけて、
ロンドンを舞台に起こった絵画贋作事件を扱ったノンフィクションです。

絵画を贋作すると同時に、その絵画の来歴をも偽造して
テート・ギャラリーをはじめとする権威ある美術館、
オークション会社、ギャラリーを手玉に取った稀代の詐欺師が、
凄腕の贋作者の協力を得て、デュビュッフェやジャコメッティなど、
240点以上の贋作を流通させた末、
最後に逮捕、裁判を経て、服役、出所するまでをていねいに
追いかけています。

美術品の価値を判断するにあたって、
作品の「来歴」、つまり高名な画商やアーカイヴの証明書を持つことが
客観性のある価値の裏付けとして求められるという現代美術界のシステムを
逆手に取った詐欺師ドゥリュー。
アーカイブのデータベースに侵入し、
過去の展覧会図録や記録文書を書き換えるなどして、
来歴を偽造、信頼を勝ち得て取引を成功させてしまいます。

その道のプロが見ても本物と見分けがつかない贋作があるとしたら、
「本物の美術品」とはいったい何なのか、という
贋作事件につきものの基本的な疑問が提示されます。
同時に、多くの一流と言われる画商、学芸員、コレクターには
「偉大な巨匠の手になる未知の作品を自分が世に出したい」
という強烈な欲求があり、
贋作事件を支える潜在的背景になっているという指摘に
なるほどとうなずきました。

犯罪の中では、流血や銃撃がない贋作事件ですが、
欲望やプライドや虚栄心がガチガチにぶつかり合う
すごく人間臭い世界で、本で読むには大変おもしろいなあと堪能しました。

ドゥリューの相方として贋作を描いた画家マイアットは、心を痛めつつ、
シングルファーザーとして二人の子どもを育てあげるために
犯罪の片棒かつぎに手を染めていきます。
彼は逮捕されすべての罪を正直に告白し、刑期を勤め上げた後、
捜査にあたった刑事の依頼で再び絵筆を取るようになり、
今ではマイアットの作品として相当の価格がつくような画家として
第2の人生を生きているそうです。

ほんとに、美術品の価値って何なの?ですよね。

偽りの来歴 ─ 20世紀最大の絵画詐欺事件偽りの来歴 ─ 20世紀最大の絵画詐欺事件
(2011/08/20)
レニー ソールズベリー、アリー スジョ 他

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テーマ:書評 - ジャンル:小説・文学

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