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読書会「おもしろ本棚」のメンバーが、思い思いに「本」「映画」「モノ」「コト」を素顔で語ります☆

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おもしろ本棚 Ver.2 <よりみち篇>
「おも本」メンバーが、本・映画・ドラマなどなど、熱く思い入れを語る<よりみち篇>。
どこか他の家とは違う?西新宿「翡翠飯店」の三代記「ツリーハウス」
ツリーハウス

祖父が亡くなった日以降、どこか魂が抜けたようになってしまった祖母。
祖母と無職の叔父と共に、満州に旅に出たフリーターの良嗣くんは
いつも自分の家族に感じていた漠然とした違和感の理由を
少しずつ理解していきます。

故郷を捨てて、「どこか遠く」を目指した祖父と祖母は、
新京で出会い、なんとなく一緒に暮らすようになります。

いつも何かから「逃げて」きた二人。
それしかなかったという思いとはうらはらに、
後ろめたい気持ちを心の隅に堆積させながら。

戦後、日本に引き上げて来て、何のゆかりもない西新宿に落ち着き、
ラーメン屋「翡翠飯店」を始めます。
4人の子どもたちを育てながら、高度成長期、学生運動、
西口バス放火事件などの昭和を走り抜け、
高層ビル立ち並ぶ中、地上げの誘いにも乗らないまま、
平成を迎え、翡翠飯店は一時ほどには繁盛しなくなり、
平和な倦怠期に入っていきます。

物心ついたときには平和で退屈な平成の時代だった良嗣くん、
「やりたいこと」がみつからないまま、入った会社を辞めてしまう
典型的「今どきの若いモノ」です。

満州への旅で、断片的ながら自分の家族の始まりや
祖父・祖母の思いを知り、昔から簡易宿泊所のように
誰でも受け入れてきた自分の家の不思議なあり方の
理由がわかってくるのでした。

満州まで出かけて昔の面影を探しながら何もみつけられず、
無関係の人に通じない日本語で語りかける人生の総括とも言える
祖母の言葉には胸をつかれます。

自分たちは逃げて、生きて、何をしたわけでもない、
人の役にもたっていない。それでも生かされたのだから、
それでよかったと。

角田さんの作品は久しぶりでした。
家族の嵐を描くのがうまい人という印象ですが、
この小説では、うまさそのままにスケールアップしていました。

どこの家でも、日本の戦後史と家族の歴史がリンクしていて
それぞれの家族がみんなそれぞれに特別なんだなあと思った三代記でした。

ツリーハウスツリーハウス
(2010/10/15)
角田 光代

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テーマ:書評 - ジャンル:小説・文学

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