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おもしろ本棚 Ver.2 <よりみち篇>
「おも本」メンバーが、本・映画・ドラマなどなど、熱く思い入れを語る<よりみち篇>。
『永遠の0』
永遠の0 (講談社文庫)永遠の0 (講談社文庫)
(2009/07/15)
百田 尚樹

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今ごろ読んでナンですが
よかった、よかった、よかったよ~。


 
百田さんの本を読むのは、これが3冊めなんですが、
小説の完成度でいえば、『錨を上げよ』よりもこの作品が上でしょう。

ただちょっと、ソツがなくてデキすぎくん、て気もするので
私としては、『錨を・・』の荒々しい青春の雄叫びに1票を投じますが。


『永遠の0』とは、零戦のゼロ。

司法試験を落ち続けてヘタレぎみの青年、健太郎は
フリーライターをやってる30歳の姉の仕事を手伝う形で、太平洋戦争で
特攻隊員として命を落とした実の祖父のことを調べることになります。

実の祖父、というのは、いま存命中の祖父がそうだと疑わずにいたんだけど
実は祖母は再婚していて、最初に結婚した相手が本当の祖父だとわかったの。

二人は戦友会を通じて、当時の祖父を知る人を日本全国回って探し、
その人となり、そして長い間隠されてきた秘密を知ることになる・・

一人一人の口から語られるのは、ずば抜けた操縦技術を持ちながら、
「生きて帰りたい」と、あるまじきことを常に言い続け、
優能だが臆病とも評された祖父が、愛する妻子のもとに戻れぬまま、
終戦直前に特攻隊として散るまでの、壮絶な生きざまと

当時の軍国日本のお粗末さと、前線で無駄に命を落としていく
若者たちの悲哀と苦悩、その奥底にある日本男児の気概というもので、

いやもう、40ページおきぐらいに「泣き場」があります。要ティッシュ。

丹念に当時の資料をあたって書かれたのだと思いますが、
現場実績のないエリート幹部らが、自己保身を考えるあまり、
戦術を誤り続け、最前線の兵隊の命が意味なく捨てられていく。

真珠湾攻撃に始まり、ラバウル、ガダルカナルと激戦の地で
選び抜かれた若者たちが、奇跡の名機「ゼロ戦」を操りながら
命を賭して敵機を撃墜し、やがては敗戦の色濃くなる中で
絶望と無力感に包まれながら、最後の出撃の命を待つ日々に陥る。

戦争の残酷さ、あってはならない不条理というものが、それはもう
ドラマチックに伝わってくるのですが、しかしその一方で、

極限状態において、死を見つめ続けた青年たちの真摯さ、
清廉な決意、連帯の強さ、というものが、百田さんらしい
男の美学として、みっちりと描かれているのですよ。

・・・話はとびますが、この前テレビで福島第一原発の
吉田所長の映像が流れ、やつれ果てた姿に驚きました。
この人は、ここで死ぬ覚悟なんだろなあ、という気がした。

いつの世も同じ、
国や組織のトップの甘さと現場の乖離。

戦争と同じ状況においてはいけないけど、個人の生きる大義、死ぬ大義って
本質的にいつでも同じなんじゃないかなと思うんです。
歌にもよくある普遍的な言葉だけど、
「愛する者たちを守るため」
自分のささやかな命を捧げるときの、その意味づけって。

・・・・・・・・・・・

で、百田さんがこの小説で描く「男の美学」って、基本的に
影法師』と同じなの。『錨を上げよ』も。

まっすぐ信念を貫き、自分に厳しく、嘘を吐かず、弱きものを守る。
それは、愛する女性にも一途に純愛を貫くことでもある。

さらに、重要な要素として、彼の独特のポイントは
女性に「処女性や貞操を求めない」って点にある。

いや、不貞をよしとするのではないけど、愛する女が裏切りを見せたなら
それをすべて受け入れて赦す度量を持つのが、真の男である、
という価値観ですね。でも自分は絶対裏切らないんだよ?

『錨を・・』の又三は、妻となった女の不貞行為を知って、
別れるんだけど、後で「なぜ自分は赦せなかったのか」と苦しむの。
作家自身が、人生経験を積んだ中で築いた価値観なんでしょうね。
この作品にも、その要素が顕著にあります。

さらに、ずっと謎が解けなかった『影法師』の男女3人の関係が、
主人公の心情が、すんなりわかった気がしたの。ああ、なるほどと。

う~ん。

白石一文とは対極にありますねぇ。

で、そういう男ならば、女にとって理想的じゃないのと言われたら、
「あなたのやさしさが私をダメにする」とかなんとか
女のリクツで逃げそうな気もするなぁ。

やっぱり愛は身勝手か。


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