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読書会「おもしろ本棚」のメンバーが、思い思いに「本」「映画」「モノ」「コト」を素顔で語ります☆

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おもしろ本棚 Ver.2 <よりみち篇>
「おも本」メンバーが、本・映画・ドラマなどなど、熱く思い入れを語る<よりみち篇>。
『なずな』
なずななずな
(2011/05/02)
堀江 敏幸

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堀江さんの作品は、『いつか王子駅で』を読んだことがある。
とりとめのない日常が ただただ丁寧な描写で
ささいなことも余さず語られ、爽やかな読後感がありました。

特にストーリー性を持たなくても、
こういう小説もアリ、なんだと思ったら、


 
何作か読んでる さらだ氏によれば
「あれが一番ストーリーがあった」とのこと。

えっ、そうなの?

てわけで、新刊の本書ですが、地方紙記者の40代男の菱山サンが
主人公。マンションの自室で、居眠りによる小火騒ぎを起こし、
奥の部屋に寝かせておいた生後2ヵ月の赤ちゃんを、慌てて見にいく・・
てところから、話が始まります。

「なずな」という名のこの赤ちゃん、実はワケあって弟夫婦の子どもを
独身・未婚の菱山サンが一時預かって育てているという設定です。

ストーリー性、めっちゃありますやん!!

しかも440ページという厚み、これはもしや
堀江さん初のストーリー小説(?)なのでは!

と大いに期待して読み始めましたが、結論からいうと
やはり大して起伏のあるストーリーではない。

が、ないわけでもない。

この長さなら、なずなちゃんが1歳になって歩けるまで
いくのかと思ったら、んなことはなく、生後2ヶ月から3ヵ月半までの、
首も座らない新生児期のなずなちゃんの成長ぶりと

それを献身的にお世話する菱山サンが、人として、記者として
新たな目線を持ちながら、地域の人々とふれあい、助けを借りて
日々過ごしていくさまが、それはそれは丁寧に描かれています。

しかし堀江さんの小説は、やはり不思議な清涼感があって、
周りの人々の温かさや親切に、下町人情話のベタさはなく、
そこに挟まれた淡いロマンスにも 小波さえ立たない。

おっぱい&おむつのエンドレスなお世話に明け暮れる菱山サンは
新米パパ?の不安と疲労の色は濃いものの、産後うつの気配はなく(当たり前か)
観察眼スルドク、愛情を持って姪の成長を見守っていきます。

そして中心人物のなずなちゃんは、440ページかけて
「あー」とか「ほう」とか「へぶっ」とかの喃語を発するようになり、
豪快にミルクを飲んでは、豪快に排泄し、差し引きプリプリとお肉をつけて、
だんだんこの世のものに近づいてくるのです。

という、なずなちゃんが菱山サンの手を離れてホントの親元に帰るまで、のお話。

それでも充実した読み応えを感じるのは、やはり精緻な表現力で
菱山サンの心のひだが描かれ、小さな町の人々のつながりが
しっかりと絡み合っていくからなんでしょう。

新生児期なんて、今にして思えば、人生ではほんの一瞬のこと。
それでも、あの頃の子育ては苦しかったな、とわが身を振り返る。
自分の体調も回復しきれず、睡眠は2~3時間と細切れで、
朦朧とする中で、泣かれては、おっぱいとウンチにまみれる毎日。

それでも、見る見る変わっていく我が子の成長ぶりが
うれしくて、面白かった。笑顔と寝顔を見るのがね。

今や むさ苦しく成長しきった息子を前に
すっかり忘れてしまった「赤ちゃん」だった日々を、
菱山サンの目に映る、なずなちゃんに重ねて
ほんわかした気分になりました。

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テーマ:書評 - ジャンル:小説・文学

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