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おもしろ本棚 Ver.2 <よりみち篇>
「おも本」メンバーが、本・映画・ドラマなどなど、熱く思い入れを語る<よりみち篇>。
『はいつくばって慈悲を乞え』
はいつくばって慈悲を乞え (ハヤカワ・ミステリ文庫)はいつくばって慈悲を乞え (ハヤカワ・ミステリ文庫)
(2011/03)
ロジャー スミス

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ヌルさは ひとつもない!
超ハードなバイオレンス小説です。


 
 
南アフリカはケープタウンが舞台。
元モデルの白人美女ロクシーが、夫とベンツに乗ってるとき、
地元ギャングに襲われたのを好機ととらえ、

脚を撃たれただけの夫に、ギャングが残していった銃で
アタマを撃ち抜いてトドメをさしてしまう。

物語は、そこから始まる周辺の人間のスーパーバイオレンス、です。

イラクの傭兵をクビになった元警官、終身刑の囚人、
売春婦、ギャング、底辺地区に住む貧民、呪術師、もぐりの医者、
悪徳弁護士、歪んだ正義感を持つ警官・・などが登場人物で

ブラックマネー、ドラッグ、レイプ、リンチ、児童虐待、
猟奇殺人・・など何でもアリの犯罪が描かれます。

本来、こういう系統の小説は苦手なんですが、この作品は
息をもつかせぬ迫力で、圧倒的な強さで
一気に飲み込まれてしまいました。

なぜなら、暴力が「快楽」として描かれていないから。

アパルトヘイト後も、肌の色の濃さに応じて
段階的な人種差別がはびこる南アフリカで

平和で安全な白人層の富裕社会とは対比的に、
生まれながら地獄に陥る「カラード」の底辺社会。

センチメンタリズムの欠片もない、
正義感は身を滅ぼすだけでしかない環境で、
幼いころから虐待を受けた子どもたちは
それ相応の大人になって、さらに社会を汚していく。

ドラッグに頼らなければ、ひとときの安心感さえ得られない。
貧しければ略奪して手に入れるしかない弱肉強食の過酷な世界。
死刑なき社会で、終身刑をパラダイスと考える人々。

まるで食事や歯磨きのように、日常に溶け込んだ暴力が
ただ淡々と冷徹に描かれ、誰も生きる希望など持てないのに、
与えられた時間をただ生きなければならない。

作品中に凶器としてたびたび出てくる「オカピナイフ」のような
鋭利な文体で、物語はどんどん破滅的に展開していきます。

それでいて最後に一筋の希望が、これまた
過酷な希望といえないこともないリアリティで
スキっとした読後感を与えてくれるのです。

いやはや、
関口苑生さんの解説にある「すごい小説」の言葉どおりです。

ちなみに、Wikiでアパルトヘイトを調べたら、
日本人は経済的な国交関係により、60年代から
「名誉白人」なんですって。

・・・・ふうぅん。。

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テーマ:書評 - ジャンル:小説・文学

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