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読書会「おもしろ本棚」のメンバーが、思い思いに「本」「映画」「モノ」「コト」を素顔で語ります☆

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おもしろ本棚 Ver.2 <よりみち篇>
「おも本」メンバーが、本・映画・ドラマなどなど、熱く思い入れを語る<よりみち篇>。
『紙の動物園』


ケン・リュウさんは注目のSF作家で、中国出身の優秀な青年でアメリカに生活の拠点を置いているらしい。
そういう人によくあることだけれど、いろいろな方向から深い思考をめぐらせるタイプで、才能豊かで、

とにかく良い小説を書く方ですねぇぇ。

これは短編集の一冊目なのですが、表題作の短編は巻頭に入っています。
米国人の父と英語があまり話せない中国人の母を持つ少年が主人公。
彼の父は、その昔、中国人の花嫁を斡旋業者のカタログで探して妻に出会います。

少年の父は実際に会った彼女が、悲惨な暮らしから逃れたいがために嘘八百の釣書で応募したことを知るも、その人となりを気に入り、アメリカに連れ帰って結婚するに至ります。
しかし、成長した少年はそれでイジメにあい、原因である母に対し、愛情とともに憎悪を感じるようにもなります。
母は弱いようで強い女性です。少年を励ます時には折り紙で動物を折る。するとその折り紙は生命を吹き込まれて部屋を駆けずり回るのですが・・・

これがまた深く胸に染み入る話で、涙がこぼれてなりません。そこでわたくしは、現代のアメリカのSFの重松清かもと思ったのですが(もはやそんな要素はちっともないが)、続く他の短編は、どれも切り口が違うお話ばかりで、ケン・リュウさんの創作世界の幅広さを知ったのでした。

しかしSFとひとくくりにできないのは、やはり移民問題であるとか、祖国の歴史であるとか、彼の中に積み重なってきたものがベースにあるからで、異色の社会派ファンタジー小説という見方もできるかもしれません。中には日本人に対する負の感情を扱ったものもあり、胸が痛むところもあります。

しかししかし、何より素晴らしいのは上質な文体とその感性。訳もいいのでしょうが、情景が読み手の前に広がる、端的で美しい比喩はピカイチです。親子の情や心の葛藤も、淡々と描かれる分、リアルに響いてきます。そんな稚拙な感想しか述べられない自分が歯がゆい気分です。

ケン・リュウさんも今年の最大発見かも。
文庫の短編集には第2巻があるので、そちらも読みたいと思っています。

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テーマ:書評 - ジャンル:小説・文学

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