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読書会「おもしろ本棚」のメンバーが、思い思いに「本」「映画」「モノ」「コト」を素顔で語ります☆

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おもしろ本棚 Ver.2 <よりみち篇>
「おも本」メンバーが、本・映画・ドラマなどなど、熱く思い入れを語る<よりみち篇>。
『私の恋人』


この方の本を読むのは初めてです、たぶん。
TwitterのTLだったかで三島由紀夫賞を獲った作品と知り、読んでみたいと思ったのですが、タイトルからは予想もつかない超SFな展開で、最初は戸惑いました。

というのは、

主人公の井上は東京で独り暮らしをしている35歳のサラリーマンなんだけど、実は彼は3度目の生まれ変わりの人生を生きる人。1度目は10万年前のクロマニヨン人、2度目はナチスの強制収容所で息絶えるユダヤ人、そして3度目が現代の東京に暮らす日本人、っていう設定なのです。

あまりにもかけ離れた輪廻転生だけど、断続的な10万年をかけて、彼は3度の人生でいつも「恋人=運命の女性」を探し求めてきた。
彼が求める恋人は、もとは美しく清純な少女で、やがて堕落した女となり、そこからさらに這い上がるタイプの、一筋縄ではいかない系、と言うのが共通条件。そんな条件を満たす女性が、ようやっと3度目の彼の目の前に現れつつある。

これまでとの大きな違いは、1度目も2度めも34歳で亡くなったのに、井上は未知なる35歳に突入したってこと。
彼が出会ったオーストラリア人の恋人は、恵まれた家柄と美貌を持ちながら麻薬中毒に陥り、そこから這い上がって今は反捕鯨運動に燃える、まさに運命の条件に当てはまる女性。
けれどエキセントリックな彼女を前に、井上はうぶな少年のように恋のときめきと不安に揺れ動くのです。

すなわちここに描かれるのは、いつの時代も変わらぬ一篇の恋愛小説なんだけれど、なぜそこにクロマニヨン人の郷愁や大戦下のユダヤ人の悲壮が入り込んでくるのかってところの答えを探しながら、ただただページをめくっていたのですが。

最後の最後まで読み切ってみると、それが10万年という現実を超えた時の流れによって、愛の希求という人類普遍の壮大なテーマになっているんだな、ってことが、じわじわと伝わってきて、このお話の奥行きをやっと理解した気になりました。

三島由紀夫賞って、ちょっと面白い作品がありますね。今後の作品も読んでみたいです。


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テーマ:書評 - ジャンル:小説・文学

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