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読書会「おもしろ本棚」のメンバーが、思い思いに「本」「映画」「モノ」「コト」を素顔で語ります☆

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おもしろ本棚 Ver.2 <よりみち篇>
「おも本」メンバーが、本・映画・ドラマなどなど、熱く思い入れを語る<よりみち篇>。
池澤夏樹『キトラ・ボックス』(角川書店、2017年)


映画の惹句風に言うならば、「『アトミック・ボックス』の三人が挑む、日本古代史の謎と、現代中国の謀略!」みたいになるのだろうか。しかし残念ながら、ポリティカル・フィクションとしても冒険小説としても出色のできだった前作『アトミック・ボックス』に比べてしまうと、「軽さ」を感じてしまうのはぼくだけではないだろう。


前作で国家規模の謀略を白日のもとに晒した宮本美汐、藤波三次郎の凸凹コンビ、新たに二人に翻弄され続けた元公安刑事の行田安治を加えたトリオは、新疆ウィグル自治区出身の考古学者、可敦(カトゥン)とともにキトラ古墳被葬者を探ることになる。奈良県の古い神社のご神体として受け継がけれてきた銅鏡から始まる推理行は、作者の意図もあってか、簡単に被葬者を阿倍御主人(あべのみうし)に特定してしまう。モノを通して歴史を研究する考古学と、文献史料から研究する歴史学。アプローチの方法は違うものの、たどり着く到達点は同じ。小説ならではの大胆な仮説をもって、快刀乱麻の勢いで古代史の謎に挑んでいく。

これと並行して描かれるのが、少数民族の独立運動に警戒感を持つ現代中国の謀略。ネタばれになるので詳しくは書けないが、随所に挿入される可敦のモノローグが大きなヒントになっている。ところが、書き用によっては壮大なミステリにもなりそうなこのテーマだけど、物語はトントン拍子に進んでいき、サラッと解決させてしまうのだ。そこそこのアクション、そこそこの政治性、そこそこの陰謀…冒頭に書いた「軽さ」を感じてしまう。

より鮮明になった三人のキャラは魅力的。次回作に期待したい。

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テーマ:書評 - ジャンル:小説・文学

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