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読書会「おもしろ本棚」のメンバーが、思い思いに「本」「映画」「モノ」「コト」を素顔で語ります☆

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おもしろ本棚 Ver.2 <よりみち篇>
「おも本」メンバーが、本・映画・ドラマなどなど、熱く思い入れを語る<よりみち篇>。
垣根涼介『室町無頼』(新潮社、2016年)


こういう小説を待っていた。

舞台は応仁の乱前夜の京都。洛中に流れ着く、飢饉で土地を離れた農民、扶持を失った牢人。幕府とは名ばかりの、衰退化の一途をたどる足利政権では、とてもじゃないが治安維持もままならない。町を仕切るのは、寺社お抱えの僧兵と、金貸し業者、そして傭兵まがいの私兵軍団。天下統一をめざし、全国で戦国大名が群雄割拠する時代は、まだ先の話。こうした、日本史上最も物語になりにくい時代を舞台に、よくぞのエンタテインメント! 

主人公は、世外に生きる三人の浮浪と、彼らと等しく関係を持つ一人の遊女。

牢人や地侍、百姓・農民、あるいは馬借・車借・行商人、はたまた歩き巫女や遊女、乞食(こつじき)らの浮浪の民を糾合し、土一揆を組織して既存権力に挑む蓮田兵衛と骨皮道賢。二人の薫陶を受け棒術の修行に励む若者、吹き流し才蔵(西村寿行の小説に登場する女棒術使いを思い出した)。自らな身体を提供することで、三人を、俗に言う「膣兄弟」の関係にさせる、絶世の美女、芳王子。

才蔵の棒術修行の凄まじさ、リアル感は特筆もので、それによって心身ともに成長していく過程を描いた成長小説の一面も確かにあるだろう。でも本書の魅力はそれだけではない。既存の枠組みから外れたところに自らの居場所を作ろうとする男たちの、一揆・世直しの形を借りた寺社・守護・幕府ら既成権力側への異議申し立て。その根本にある、貨幣経済の発達と情報戦こそが世の中を変えるという考え方は、すぐそこまで迫った戦国時代のさきがけ的発想に他ならない。

『平家物語』灌頂巻の大原行幸を彷彿とさせるラストの余韻も捨てがたい。

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テーマ:書評 - ジャンル:小説・文学

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