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読書会「おもしろ本棚」のメンバーが、思い思いに「本」「映画」「モノ」「コト」を素顔で語ります☆

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おもしろ本棚 Ver.2 <よりみち篇>
「おも本」メンバーが、本・映画・ドラマなどなど、熱く思い入れを語る<よりみち篇>。
『鶏のプラム煮』
鶏のプラム煮 (ShoPro Books)鶏のプラム煮 (ShoPro Books)
(2012/02/21)
マルジャン・サトラピ

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ラストは胸が詰まりました。皆が皆、一番好きな人と付き合えたり、
一緒になれたりするとは限らないのが現実なだけに。

でも、ナーセル・アリやイラーンだけでなく、ナヒードも辛いね。
自分の気持ちと裏腹な言動を取ってしまったり、
周囲の人を自分の思い込みで見てしまったりすることで生じるすれ違いが、
登場人物それぞれの人生に影を落としているのが丁寧に描かれていて、
これって普遍的な話だなと思います。

実は絵はあまり好みではないですし、なかなか重たい話でもありますが、
すごく惹き込まれる作品ではありました。

☆月人壮士の読書メーター
 

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テーマ:書評 - ジャンル:小説・文学

『墨東綺譚』 (角川文庫)
墨東綺譚 (角川文庫)墨東綺譚 (角川文庫)
(2009/03/25)
永井 荷風

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ここに書かれているのは、失われゆくものへの愛惜の情。
当時の最新文明の象徴たるラディオを避けて迷い込んだラビラント=向島で出会ったお雪との逢瀬は、
ラディオの音を避ける必要もない秋の訪れと共に一夏の夢として終わりを告げる。
いずれ失われてしまうのならば、いっそ何も知らないまま思い出に…。

一方で、メタフィクション的構造を持たせたり、隅田川を隔てて、
浅草や銀座(現代・此岸)と向島(過去・彼岸)とのコントラストを強調し
二項対立的に描くことで作品空間に奥行きを持たせていたりと
荷風の小説の造形の巧みさも光る珠玉の一篇。

☆月人壮士の読書メーター
 

テーマ:書評 - ジャンル:小説・文学

『エブリシング・イズ・イルミネイテッド』
エブリシング・イズ・イルミネイテッドエブリシング・イズ・イルミネイテッド
(2004/12)
ジョナサン・サフラン フォア

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ユーモアの力で重く悲しい話をまとめあげた大傑作。
ウクライナ人アレックスのぎこちない英語に躓きながら、頁を繰る手が止められなかった。
祖父の命の恩人を探すユダヤ系アメリカ人ジョナサンの旅を基軸に、
ジョナサンが小説の形で綴る先祖の来歴とりわけ家族の愛情の歴史が絡み合う。

3つの複線的なストーリーが、ナチス侵攻下のウクライナでのユダヤ人虐殺を紐帯に結びついて行く展開は見事。
ここに至ってアレックスのおかしな英語は、心の激しい動揺を示す破調の英語にすり替わっていた。
他にも文体や構成上の試みを随所に配した若々しい野心作。
 
☆月人壮士の読書メーター
 

テーマ:書評 - ジャンル:小説・文学

『夫婦善哉 』
夫婦善哉 (新潮文庫)夫婦善哉 (新潮文庫)
(1974/03)
織田 作之助

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今どき織田作?今こそ織田作!

表題作の「夫婦善哉」は、柳のように頼りなく、生活力もなければ女にもだらしない"柳"吉と、
芸事の世界を皮切りに様々な職業をひらひらと舞いながら必死で生活を支える"蝶"子の不思議な絆が、
関西弁の口調に乗って流れるように浮かび上がる。
ここまでダメでも見捨てられない柳吉には正直嫉妬を覚えるが…。
ラストの夫婦善哉のエピソードもしんみりとさせつつも、作品全体をキュッと締める良い終わり方になっている。

また、併録の他の短編も佳品が多い。「六白金星」「アド・バルーン」「競馬」など、
どこか欠点を持ち不器用にしか生きられない男の、社会の下層を流れ流れて生きている
日々の哀歓(哀の方にかなり比重を置いているが)をこまめに掬い取って味がある。
また、地の文も何かの描写や説明に留まらず、一つの語りとして自立している印象。

「競馬」では井原西鶴に触れているが、この西鶴という上方の偉大なる戯作者の後継という自意識は
織田作自身にもあったと思う。
現代社会で折に触れて押し付けられる上昇志向・成長志向に疲れ気味の方には一片の救いになるかも。
戯作の復権のためにも、今こそ織田作!

☆月人壮士ブクレコ → こちら

★『夫婦善哉』は、読書会「おもしろ本棚」の11月課題本です。
  例会レポは → おも本公式ブログへ。
 

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『小僧の神様・城の崎にて』
小僧の神様・城の崎にて (新潮文庫)小僧の神様・城の崎にて (新潮文庫)
(2005/04)
志賀 直哉

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すっかり文学史上の殿堂入りをし、
名前は知ってるが読んだことはないという人も多そうな志賀直哉だが、
まだまだ賞味期限は切れてない。

極度にむだを削ぎ落とした文章やあっさりとした構成は一見簡単に書いたように見えるが、
技巧を前面に出して見せないだけで、実は高度な技術で書かれている。
半径5mの世界を丹念に見つめ、大仰な思想や倫理を盛り込まず、
心境を端的に表した作品群からは、どことなくキュートな可愛らしさが透けて見える。

志賀直哉はカワイイ系。新潮文庫版の表紙の絵に熊谷守一というのも素晴らしい選択。
志賀直哉の小説と熊谷守一の絵には相通ずる所があると思う。
 
☆月人壮士ブクレコ → こちら
 

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