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読書会「おもしろ本棚」のメンバーが、思い思いに「本」「映画」「モノ」「コト」を素顔で語ります☆

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おもしろ本棚 Ver.2 <よりみち篇>
「おも本」メンバーが、本・映画・ドラマなどなど、熱く思い入れを語る<よりみち篇>。
『日の名残り』


ハヤカワepi→こちら
(私は中公文庫で読んで、表紙もそっちが好きだけど、中公版はもう絶版なのですね。)

カズオ・イシグロの『日の名残り』は、一人称の素晴らしい小説だ。
今世紀初頭からイングランドの名家に執事として仕えた男の回想録の形を取りながら、品格とは何か、執事たる者はどうあるべきか、歴史と人の係わり、階級の果たすべき役割についてなど、大英帝国の落日の日々を描いた小説として評価が高い。
一方で、執事という特殊な職能を担う男の半生記として、そのあまりにも生真面目で不器用な性格描写が読者の腹筋をくすぐって止まない、ユーモラスな恋愛小説と言い切ることもできる。
 
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テーマ:書評 - ジャンル:小説・文学

『名高き海賊船長シングルトンの冒険一代記』


ユニオンプレス→こちら

・・・タイトルそのままの本である。
よって、ここで筋を詳しく述べてしまっては、この本を読む愉しみが殺がれてしまうかもしれない。
ただ、この本が 18世紀初頭に書かれた古い小説だということは、あらかじめ知っておいた方がいいと思う。
なぜなら、日ごろ慣れ親しんでいる小説の手法とか、構成とか、そういうものがまだまったく洗練される前に書かれたであろうから、自分がその時代の読者になりきって読まないと、やれ読みにくいだとか、疲れるだとか、そういうもったいないことこの上ない感想を持ってしまいかねないからだ。
だから、これからこの本を読んでみようと思われる方は、宮部みゆきや藤沢周平を読むようなつもりで本を開くのではなく、作者の語りに自分から歩み寄って、そのままを受け入れてみてね、とお伝えしたいと思う。
そうした方が、この本をずっとずっと愉しめると思うから。
 
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テーマ:書評 - ジャンル:小説・文学

『野火』
nobi

●新潮文庫: こちら

今からどのくらい前のことだろうか。
下北沢の本多劇場で、加藤健一の独り舞台『審判』を観た。
第二次世界大戦のヨーロッパ戦線で、ドイツ軍の捕虜となって地下室に監禁されたロシアの部隊が、ドイツ軍の慌しい撤退の中放置され、ふた月後に発見された時には、わずか二名の生存者はともに発狂していた、という史実をもとに書き起こされた芝居だった。
『セイムタイム・ネクストイヤー』『おかしな二人』など、ウェルメイドな翻訳劇を得意とする加藤健一の、しかしこれこそが代表作だ。
舞台は、生存者の一人が正気を保っており、軍事法廷の席から陪審員たる観客に、水も食糧もない地下室でふた月の間に何が起きたかを陳述する、という構成をとっている。

大岡昇平の『 野火』を読んだ。
読みながら、加藤健一が被告席からまっすぐこちらに語りかけてくる、あの独り舞台の名状しがたく張り詰めた空気と、地下室の隅で身体を前後に揺らしながら、狂気という彼岸へ向かってゆくもう一人の将校の姿が、レイテ島の野火を背景に、たった今見ているかのように生々しく立ち上がってきた。

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テーマ:書評 - ジャンル:小説・文学

『羆撃ち』
羆撃ち (小学館文庫)羆撃ち (小学館文庫)
(2012/02/03)
久保 俊治

商品詳細を見る


小学館文庫→こちら

『野性の呼び声』など、ジャック・ロンドンの作品を集中して読んでいたら、友人が、北海道のハンターが書いたというこの本を紹介してくれた。
読んでみてあまりの臨場感に、これは小説ではないのかと逆に疑ってしまうほどだった。
事実は小説より奇なり、しかれども圧倒的な事実は、事実を超えてもはや小説の態をなすというくらいに。
 

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テーマ:書評 - ジャンル:小説・文学

『古事記 』
古事記 (池澤夏樹=個人編集 日本文学全集01)古事記 (池澤夏樹=個人編集 日本文学全集01)
(2014/11/14)
池澤夏樹

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池澤夏樹=個人編集 日本文学全集 河出書房新社

昨年11月に刊行が開始された、池澤夏樹の選書による日本文学全集。
第一回の配本は、彼の手になる現代語訳『古事記』だったので、イの一番に図書館に予約を入れて先日読み終わった。
(よっぽど全シリーズ早割で買っちまおうかと思ったけれど、買うととたんに読まなくなる自分の傾向を知っているし、大江健三郎の巻なんかまず読まないだろうと思われるので、「コストが合わない」とか「置き場所がない」とかテキトーな理由をつけて絶賛我慢中。
けどまだどこかで、こういうのくらい買えよ!と吠えている自分がいるのだが。)

日本の古典なんて、先般ようやく『源氏物語』を読破しただけで、万葉集も伊勢物語も平家も竹取もダレソレ日記も全く読んだことがない。
それはいかにもマズいのではないか?と不惑を大幅に越えてようやく気がついたので、池澤夏樹におんぶに抱っこしてもらう大作戦に出た次第。
 

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テーマ:書評 - ジャンル:小説・文学